『ブルックリン』(Brooklyn)が描く、人間への温かい眼差し

学習塾TOMAS 講師(元白梅学園大学講師)

藤田久美子

2016年度公開の映画「ブルックリン」は、派手なアクションも、サスペンス的要素もないヒューマン・ドラマであるが、何度見ても感動的な映画である。第二次大戦後間もない頃にアイルランドからアメリカに渡った一人のアイルランド人女性の苦悩と成長を描くこの映画は、実際にアイルランド系であるシアーシャ・ローナンが主役のエイリッシュを演じ、アカデミー主演女優賞に輝いたが、単なる移民女性の話にとどまらない深さを持っている。

戦争には直接参加しなかったアイルランドだが、戦後の経済の停滞は、どの国とも同じで、エイリッシュのような若い女性には明るい未来が描けるような仕事もなく、彼女は、姉の知り合いの神父のつてで、アメリカに渡り、プルックリンで生活を始める。相当大きなデパートで店員として働けることになった彼女は、ホームシックの他に、客や同僚とのコミュニケーションがうまくできないことで苦労することになる。真面目な性格のせいもあるが、アメリカ人なら何でもなくできるはずのコミュニケーションが、彼女にはなかなかできない。その様子が次のような場面に、ユーモラスに描かれる。

           同僚:Did you go out last night?

   エイリッシュ:No.

             同僚:”I saw a movie with my boyfriend.”

                    “What did you see, Dorothy?”

                    “I saw The Quiet Man, Eilis.  They filmed it in Ireland.”

                    “Oh, I’m from Ireland.

                    “I know you are.  That’s why I thought you might be interested.”

こうした、”あるべき問答”まで教えてくれる親切な同僚だが、エイリッシュは、ただThank you.”と返すのみである。私たちには面白いこのような状況を乗り越えつつ、彼女は、段々にブルックリンでの暮らしに慣れ、ブルックリン・カレッジの夜間クラスで簿記を学び、無事卒業する。

地味だが、真剣に彼女を愛してくれるイタリア系のトニーという恋人を得て、彼女は漸く本当の幸せを感じるようになったが、その頃、最愛の姉のローズが急死し、彼女はアイルランドへ戻ることになる。故郷のエニスコーシーの町には、一人残された母がおり、懐かしい景色、懐かしい友人たちとの出会いがあったが、彼女は、この故郷で、人間としての成長を一段と促されることになる。

実は、エイリッシュは、アイルランドへ帰る直前に、トニーと結婚していたのだが、それは、二人きりの秘密で、だれにも知らせてはいなかった。母と再会して、本当は真っ先に話さねばならないことであったが、すぐには話せなかったのだ。姉娘を急に失った母に、アメリカ人と結婚して、この先ずっとアメリカで暮らすとは言いにくかったし、友人仲間の一人で、彼女に好意を持っているジムと結婚してくれたら、という母の願いを分かってもいたからだ。

しかし、なかなか本当のことを打ち明けられず、ジムと何度かデートする彼女を責められるであろうか?彼女はジムの気持ちをはっきり受け入れることはなかったのだから。アメリカでの暮らしで、周りの人々から羨望の目で見られるほど一段と美しく、洗練された自分を多少誇らしく思い、男性にもてることを楽しんだとしても、それは、人間としての当然の弱さではあるまいか?

そうした浮かれた気分に水をかけられ、真実の自分に向き合わねばならなくなる時がやがて訪れる。アメリカでのトニーとの結婚を知っている人がいたのだ。いわば目が覚めたようになったエイリッシュは、すぐにニューヨークへの船を予約し、母に真実を話す。自分がアメリカで結婚し、その人は自分を心から愛する素晴らしい人であること。彼のところへ帰りたいこと。自分のそばにずっといてくれると思っていた母にとっては辛いことであろうが、それこそが彼女の真実であった。

ニューヨークへ向かう船の中で、彼女は、初めてのアメリカに不安を感じている若い娘に、以前この娘と同じ立場だった時、同じように船上で年上の女性に言われたことを話す。

            Stand up straight.

                 Polish your shoes….

                 Think like an American

                 You have to know where you’re going.

「人間とは、何度も間違いをする存在であるが、そうした間違いを何度も犯しながら、自分の弱さを知り、許されて成長してゆく存在でもある」。この映画は、見るものに、このようなメッセージを送っているように思われる。

字幕アプリで英語を勉強しよう

吉牟田聡美(ATEM東日本支部、活水女子大学)

昨今は、自宅で観たい映画を選び楽しめる時代になりました。コロナ禍で外出を自粛せざるを得ない日々になって一層Amazon Prime VideoやNetflix, YouTube等々の動画配信サービスで映画を楽しむ機会が増えたのではないでしょうか。世界中の映画やテレビ番組を無尽蔵に観られるのですから、英語の勉強に活用しない手はありません。

 本コラムでは、動画配信サービスを外国語学習に用いる方法について考察してみます。ATEMにつながる映画・動画の専門家の方々は、既にご存じかと思います。どうか御笑覧ください。

 今回、外国語学習の一助として紹介するのは、私がAmazon Prime Videoを視聴する学生に紹介しているSubtitles for Language LearningというGoogle Chrome のextensionアプリです。Chrome上でダウンロードして無料で使用できます。

 このアプリに備わっている主な機能は、低速から二倍速までの再生速度変更、10秒早送り・巻戻し再生、言語字幕表示、表示タイミングの調整、辞書と連携した語義の表示、AI翻訳によるセリフの戻し訳等々です。

 二倍速再生は(真の映画ファンには邪道と怒られそうですが)一本の映画を短時間で観る際に用いて概略をつかみます。

 低速再生や10秒巻き戻しは、聞き取りの難しい部分に使います。脳内で聞こえた単語をタイプで打ち出すように強く認識しながら視聴します。私はこれを『脳内ディクテーション』と読んでいます。巻き戻しは「あ、今のセリフ何と言った?」という時、即時強化できます。

 字幕表示機能は、Prime Videoで映画の字幕版を選び、このアプリで映画字幕を表示させれば、映画は日本語字幕、アプリで英語字幕とひとつの画面に二言語の字幕表示が可能です。これは今まで高価な再生ソフトでしかかなわなかったので、画期的です。

 表示のタイミングを調整する機能も秀逸で、二秒程度遅く字幕を表示するように設定すれば脳内ディクテーションの答え合わせを即時に行えます。また、二秒先に再生すれば、目で見た英単語句の発音を確認することができます。

 辞書機能では、字幕の英単語の上にマウスオーバーさせれば、意味が自動表示されます。

 最後に、このアプリが表示するセリフにはDeepLとGoogle翻訳のアイコンがついているのでクリックすればセリフの直訳(機械翻訳)へと導いてくれます。

このように、本アプリには言語学習に有益な機能が満載なのですが、懸念のひとつは、こうした動画配信サービスでは字幕翻訳・吹替翻訳を担当した翻訳者名が明示されないことです。

 今回、DVDの戸田奈津子氏の字幕と同一の翻訳であるかどうか『ドリームガールズ』(2007年日本公開)で検証して、一貫して戸田氏の訳が使用されていることが判明しました。市販のDVDと同一の可能性が高いとしても、留意すべき点かと思われます。

 最新のアプリを使ったところで映画を聞き流して脳が活性化しなければ意味がありません。映画を用いた言語学習ストラテジー(オクスフォード、1990年)注1)が必要となるわけです。一本の作品の気に入っているシーンを含む10分程度のパートを音声と字幕の組み合わせを変えながら何度も視聴することを学生には勧めています。日本語音声ー日本語字幕、日本語音声ー英語字幕、英語音声ー日本語字幕、英語音声ー英語字幕などです。私もかつて『ハリーポッターと賢者の石』(日本公開2001年)をレンタルして一週間違う組み合わせで視聴し、返却するころにはラストシーンのセリフをイギリス英語の発音でそらんじていました。

 学習者の適性にもよりますが、一般的には多くの言語材料を一度にインプットするよりも、むしろ繰り返し同じ刺激を与えたほうが記憶には効果的かと思います。

 

 また、上で述べた視聴中のセリフの脳内ディクテーションは聴覚の集中力を高め、聞こえた英単語句の答え合わせは即時強化の強化子となり次へのモチベーションにつながると予想されます。またセリフ集を手元に置き、聞き取れなかったところに印を付け、再度聞き直すというアクションは地味ですが有効なストラテジーです。

 またリスニングだけではなく、アプリの字幕を2秒程度先に見ながら登場人物になったつもりでオーバーラップやシャドーイングすると目、耳、口という三つの感覚器官を使う刺激的な訓練になります。ある研究によると、字幕の先行表示と字幕の精度を比較した時に、前者が後者よりも内容理解の正確さを高める要因となるという結果が出ています(下郡他、2010年)。

 つまり、上手な字幕がタイムリーに表示されるより、下手な字幕でも先に表示されたほうが内容をより理解できるということです。字幕の先行と遅延表示、どちらが合うか試してみてはいかがでしょうか。

 本コラムで述べたAmazon Prime Video以外の配信サービスでも、同様の機能を有する言語学習アプリがあります。(例えば、NetflixにはLanguage Learning for Netflixなど)また複数の配信サービスで使用できるアプリもありますので、興味がおありでしたら環境に合うものを探してみてください。

【参考文献】

下郡信宏、池田朋男、関矢陽子:英語字幕による会議支援:字幕の制度と表示タイミングが理解に及ぼす影響, 情報処理学会研究報告, Vol. 2010-GN-75, No. 5, pp. 1-6, (2010).

Oxford, R. (1990). Language Learning Strategies: What Every Teacher Should Know. New York: Newbury House Publishers.

【注】

1.ストラテジーとは、レベッカ・オクスフォード(1990)が提唱する、言語学習効率向上のための直接的・間接的なコツである。例えば、直接的なストラテジーは、記憶を補強するのに連想法を使うなど。間接的なストラテジーは、仲間と励ましあいながら学習する、好きな俳優の作品を選びモチベーションを上げるなど。

A glimpse into modern life through    the work of Steve Cutts

Barry Kavanagh (Tohoku University)

Steve Cutts is an illustrator and animator from the UK. He can be described as a social media Banksy. Much like Banksy, his artwork is a satirical commentary on the excesses of society.

His work is inspired by vintage cartoons of the 1930’s and graphic novel art. His most notable animations that have been watched millions of times on YouTube include ‘Happiness’, ‘The Turning Point’ ’Man’ and ’Man 2020’.

These short animations have no dialogue but use a soundtrack that compliments a visual feast that conveys multiple messages in each frame. In this respect, the adage ‘A picture is worth a thousand words’ is very much applicable here. His animation ‘Happiness’ looks at how we have become a rat race consumed by materialism and are never satisfied with what we have. ‘The Turning Point’ examines a world where humans and animals have changed places and it is humans who are on the verge of extinction. The video is a damming comment on what mankind has done to its environment but from the perspective and position of animals. ‘Man’ follows similar themes and portrays 500.000 years of destruction that man has caused the world from his contempt of the environment and cruelty to animals that stems from viewing the world as something that is to be consumed.

His sequel, ‘Man 2020’ sees our protagonist in lockdown at home with a huge amount of toilet roll in the background. Animals outside are rejoicing in a festival of song and dance as man’s absence has meant that nature has had a chance to flourish. However, it ends with man leaving his house and killing a bug in the process. The animals are seen to quickly vanish in fear as man once again is back to his old bad habits after lockdown. This video is a satirical take on the recent events that have surrounded the COVID-19 pandemic and reminiscent of news stories that illustrated how the environment and nature thrived when we were all under lockdown or running out to buy toilet paper based on the spread of misinformation on social media.

I have used the animations of Steve Cutts in content-based lessons that have looked at global issues, consumerism, media literacy and SDGs. Students have found them intriguing and with the right amount of context and scaffolding these animations can complement content or theme-based classes. English lessons can be made around these animations and be used as a tool for critical thinking and debate.

His work can be found freely on YouTube or at his website

https://www.stevecutts.com

東日本支部便り 7月号    『未来世紀ブラジル』と“Voila!”

中村佐知子(東北大学)

何かが完成したとき、日本語で「じゃーん!」や「じゃじゃーん!」と言いますが、英語では“Voila!”と言います。英語と言ってもこの単語の響きからも推測できるようにフランス語の借用語です。この言葉がとても印象的に使われているのが、テリー・ギリアム監督のディストピアSFの傑作『未来世紀ブラジル』(Brazil, 1985)です。主人公サムの母親が若返り手術を受けるシーンで、担当医が手術完了とともに「どうだ!」と言わんばかりの得意顔で“Voila!”と言います。この映画を初めて見たとき「私もこんなふうに得意気に“Voila!”と言ってみたい…」と感じたことを覚えています(のちに実践しました)。映画は、「使える英語表現」にあふれた最高の教材です。

単語やフレーズが、どのような場面で使われているのか知りたい。こんなとき、とても役に立つのがYouGlishです。

YouGlish

https://youglish.com/

YouGlishで単語やフレーズを検索すれば、YouTube内の動画でどのように使われているのかがすぐ分かります。ためしに“voila”で検索すると、1572件の動画がヒットしました。詳しく見ていくと、“voila!”と言うとき、両手を広げるジェスチャーをする人がいることが分かります。ただ、全員がおおげさにジェスチャーつきでこの表現を使う、というわけでは決してなく、まったく強調せずに、とてもさりげなく使う人も見られます。TEDTalkなどのスピーチでもよく使用されているようです。

“no offense”「気を悪くしないでもらいたいのだけど」というフレーズも見てみましょう。988件のYouTube動画がヒットしました。こちらも詳しく見てみると、“no offense to 人”という形でよく使われています。そして、この表現の意味から当然推測されることではありますが、 “no offense”と言ったあとには苦言や批判が述べられています。興味深いのが、笑いが起こる場面がしばしば見られたということです。まじめなシチュエーションで使われることもあれば、ユーモア交じりに使われることもある表現だと言えそうです。

もうひとつ見てみます。“Are you with me”で検索すると2283件ヒットしました。この表現は、何かを説明している途中で「話についてきていますか?」と、理解を確認するために使われています。また“Are you with me so far?”「今のところ話についてきていますか?」や“Are you with me still?”「まだ話についてきていますか?」などの形でもよく使われることが分かります。プレゼンをする際にとても効果的なフレーズです。

言葉がどのように使われているか。個々の使用例を動画で詳細に観察することで、大きなデータで傾向を分析するだけでは把握できない、その言葉の特性が浮かび上がってきます。単語やフレーズの性格を踏まえた上で、会話でそれらをうまく使えたときの喜びは格別です。英語の一学習者としてこれからも英語を観察し、トライアル&エラーを繰り返しながら果敢に使っていきたい、こう考えています。

※YouGlishの検索件数はすべて2022年6月17日時点のものです。

助動詞 “may” から見えるアンの魅力(『ローマの休日』(Roman Holiday, 1953))

濱上桂菜(獨協大学)

2022年5月13日、『ローマの休日』の新しい吹替版がテレビで放送されました。映像と効果音・音楽はそのままで、次世代の声優たちが登場人物に新たな声を吹き込みました。以前の吹替版に馴染みのある方にとっては違和感があったかもしれません。しかし、新しい吹替版では、多くの人にとって聞き覚えのある声優さんが一人は見つかったかと思います。白黒映画を見たことがない人であっても、親しみを持って見ることができたのではないでしょうか。

この映画で英語の勉強になるのは、助動詞のmayです。mayの意味の一つとして、「許可」を思い出す人も多いでしょう。主人公の王女アンは次のように言っています。(以下例文の日本語訳は5月13日放送の吹き替え版です。)

・You may sit down.「さぁ お掛けになって。」

・You may call me Anya.「では こう呼んでください。アーニャと。」

これらの文中のmayは「許可」を意味します。しかも主語がyouですから、聞き手に対して許可を与えています。

ただし、このようにmayを使って聞き手に許可を与えるのは、今風に言うと上から目線の言い方です。封建制度下のような身分の違いが明らかな社会では用いられていましたが、現在社会では使われていません。たとえ1953年に制作された『ローマの休日』の頃であっても同様に、ずいぶん高圧的な上から目線の言い方です。確かにアンは王女ですから「許可」のmayを使う立場ではあります。しかし、しがない記者のアパートに押し込んで眠りこけていたパジャマ姿の来客が言うのですから、滑稽ですね。

聞き手に許可を与えるmayの使用は今日廃れましたが、聞き手に許可を求めるmayは今日も使われます。

・May I have some?「私にもください。」

上の文は、ジョーがお酒を飲んだときに、王女アンの言葉です。アンがお酒を貰う許可を求めているのです。このmayの使い方は一般的ですから、mayで笑うところではありません。(ただし、フラフラの状態でもなおアルコールを飲もうとするアンの姿に笑うところではあります。)

このように同じ「許可」を意味するmayであっても、You may …(聞き手に許可を与える表現)は高圧的すぎて今日使われませんが、May I … ?(聞き手に許可を求める表現)は今も使うことができます。

身分を隠してたった1日の「休日」を楽しむ王女アン。最初はmayを使うなどして王女らしさを隠せずにいるので滑稽です。いかにも王女らしいこのようなセリフは、この映画では重要な役割を果たしていると思いませんか? 最初に王女らしさが目に付くぶん、徐々に現れてくる少女としての自然体のアンに私達は強く惹かれていくように思うのです。

“Collections of Idiomatic Expressions on YouTube”

Ryan Spring (ATEM East, Tohoku University)

There is a YouTube channel called “As Easy As Pie.” It has a nice collection of various phrases and idiomatic expressions that appear in popular American and British TV shows. Each video contains an explanation of what the phrase or idiomatic expression means and then shows at least one clip from a television show where it is being used in context. Some video contain multiple examples. This channel is potentially useful for use either in the classroom (i.e., showing specific examples to students) or for guided study outside of the classroom. Students could also use the channel for self-study, as it includes definitions, explanations, and practical examples of the phrases and expressions in use. 
Here are the benefits and drawbacks to this particular channel:
Benefits:
1. Being a YouTube channel, you can search for specific phrases or expressions WITHIN the channel. Any videos will follow the same easy-to-use format. 2. There are a wide range of phrases and expressions.3. There are explanations, definitions, and practical examples created from authentic video materials 
Drawbacks:1. The channel has a limited number of phrases and expressions, so teachers may have to plan their lessons/quizzes/etc. around what exists on the channel.
2. There is no way to add your own
Overall, this can be a powerful tool either for encouraging students to study, or to provide easy to understand examples when one of the phrases or expressions that you want to teach appears within the channel. Here is the channel link:https://www.youtube.com/channel/UCfG86_GaWYrGZlj05TArkrg

An interesting future study could be to link this to corpus studies, or to create our own ATEM channel that would be based on the expressions and phrases that we think are important or that might supplement or compliment this channel.

『96時間』(Taken, 2008)における英語の「脅し文句」

小泉勇人(東京工業大学)

『96時間』(Taken, 2008)で役者リーアム・ニーソンが捲し立てる脅し文句を耳にして震え上がらない観客がいるでしょうか。『96時間』は、周りから心優しく無害だと思われていた人間の劇的な変貌を描いた傑作活劇だと言えましょう。中年男ブライアン・ミルズ(ニーソン)は離婚した後、溺愛する娘キムのパリ旅行をハラハラして見送ります。心配性の彼は、パリに到着し次第、彼が住むアメリカの自宅に電話をかけるようキムに頼みます。ところが、キムがパリのホテルからミルズに電話をかけたまさにその時、誘拐犯が侵入しキムを闇の売春組織の元へ連れ去ろうとするのです(原題がTakenなのはこれが由来)。キムが連れ去られた後、携帯を拾い上げた犯人の息遣いがミルズの耳に伝わります。ミルズがそこで取った行動は、1ミリも怯むことなく、退官した鬼のCIA工作員としての冷酷な脅し文句を誘拐犯に突きつけることだったのです:

Bryan Mills:

If you’re looking for ransom, I can tell you I don’t have money but what I do have are a very particular set of skills. Skills I have acquired over a very long career. Skills that make me a nightmare for people like you. If you let my daughter go now, that will be the end of it. I will not look for you, I will not pursue you. But if you don’t, I will look for you, I will find you and I will kill you. (参考YouTube動画:https://www.youtube.com/watch?v=jZOywn1qArI)

映画は時に強烈な「脅し文句」を教えてくれます。このわずか1分程で、ミルズは誘拐犯に自分の意思・能力・条件・宣告を誘拐犯の耳に叩き込むのです:

①身代金を払う余裕はない点(I don’t have money)

②誘拐犯を追い詰める能力がこちらにはある点(Skills that make me a nightmare for people like you)

③娘を返せば不問にする点(I will not look for you, I will not pursue you.)

④娘を返さないなら絶対に追い詰めて、殺すという揺るぎない決意(I will look for you, I will find you and I will kill you.)

この脚本術の骨子は、ミルズが何百回となく修羅場を乗り越えてきた人物であることを観客(と誘拐犯)に瞬時に理解させることにあります。強烈なのは①-③から続く④の宣告、話者の決意表明と、これから怒涛のように展開される鬼の追跡劇を予告する発言だと言えるでしょう。事実『96時間』は、優しい優しい好人物を絵に描いたような俳優リーアム・ニーソンが鬼と化し、愛娘を救出せんと拷問と破壊の限りを尽くしながらパリを激走する物語なのです。

 ところで本作は、ミルズを演じるリーアム・ニーソンの役者傾向が鮮やかに戯画化された映画でもあります。ニーソンが演じる役は、喜怒哀楽で言えば哀と怒の振り幅が異常に大きい傾向にあるのです。確かにニーソンと言えば『シンドラーのリスト』(Schindler’s List, 1993)でユダヤ人救出に命をかける静かなる男を演じたことでも、よく知られた名優です。『ラブ・アクチュアリー』(Love Actually, 2003)での、死別した妻の連れ子の世話を焼く優しい継父も記憶にあります。『スター・ウォーズ エピソード1/ ファントム・メナス』(Star Wars: Episode I – The Phantom Menace, 1999)にて弟子を導く雄大なジェダイを演じてもいました。

 一方、キレる役者芸もニーソンの強みだったに違いありません。『ロブ・ロイ/ロマンに生きた男』(Rob Roy, 1995)では静かに怒りをために貯めこんでついには爆発させるスコットランドの英雄を演じたのもニーソンです。サム・ライミ監督作『ダークマン』(Darkman, 1990)で、心根の優しい科学者が異常なまでの怒りを爆発させる難役を嬉々としてこなしていたのも、ニーソンです。(参考動画:景品のぬいぐるみをくれない意地悪な射的場の店員にキレるニーソン。https://www.youtube.com/watch?v=lbdeAhpIPhE&ab_channel=Movieclips)。つまりニーソンは研究を重ねてきていたのです、一見穏やかで実際にそうなのだけれと一度キレると止まらない男の役を・・・。その一つの到達点こそが他ならぬ『96時間』だったのではと、今になって見れば納得も行こうものです(振り返れば『シンドラーのリスト』ですら、ホロコーストに無関心だった男がやがてユダヤ人の救世主へと変貌していくという、「豹変する怒りのニーソン」的話型として読めてしまうから不思議なものです)。

 改めて『96時間』は、役者リーアム・ニーソン固有の十八番演技をこれでもかと生かした活劇であり、その口から発せられる「脅し文句」は、2000年代ジャンル映画史上において絶大なインパクトを残しました。この台詞に込められたニーソンの揺るがない意思を読み取り、音読し、暗唱しましょう。力強い英語です。あなたが何かと闘わなければならない時、心の中の鬼のニーソンがきっと背中を押してくれることでしょう。

第12回 ATEM東日本支部      オンライン大会プログラム           12th ATEM Higashinihon       Chapter Online Conference                              2022年3月13日(日)                March 13, 2022                                                  

以下のGoogle Formで3月12日までに登録ください。           後日ZoomのURLをお知らせします。

You are kindly asked to register through the following Google Form by March 12 in order to join the meeting. You will be informed of Zoom ID & Pass later.
URL   https://forms.gle/uLBen7BmyCdP7hKcA

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 *12:30 ~ Zoomのリハーサル(*発表者のみ)
     Zoom Rehearsal (*Presenters only)




   1.13:00~13:25 開会挨拶と支部総会(Opening & General Meeting)

2.13:30~13:50 

  Ryan SPRING (Tohoku University), 

  Shizuka SAKURAI (Tohoku University), 

Sachiko NAKAMURA (Tohoku University)

        Use of interactive videos in university EFL learning

   Interaction in the target language is one of the key elements in improving speaking

proficiency. However, EFL classrooms sometimes provoke Foreign Language Anxiety

(FLA), which may make learners feel reluctant to communicate in the target language

and lead to lack of willingness to communicate. To lower students’ anxiety, we

attempted a pedagogical solution that would give them ample opportunities to practice

English communication by themselves in advance and prepare for the real use of

English in class. By doing so, we hoped their affective filter would be lowered, and they

could feel more confident, which would in turn encourage them to interact more with

other students in class. The pedagogical solution we implanted was interactive videos

for self-practice of communication.

    We created interactive videos, with which students can practice English discussions by themselves. In the videos, two L1 English speakers talk to each other and the camera, making the students feel that they are a part of the conversation and must respond. Students speak their response to a speech recognition system, which types out what they say. Through this process, students can learn how they should respond properly in English and practice comprehensible pronunciation without any societal pressure. In this presentation, we demonstrate how each of us used the videos in and out of class. We also introduce students’ reactions to the use of interactive videos.  

                           ≪Q&A: 13:50~14:00≫ 

3.14:05-14:25  

Satomi YOSHIMUTA (Kwassui Women’s University)

The Color Purple (1985): A Woman’s Self-Realization and the American Women’s History around the early 20th Century      [SIG]

     The Color Purple (1985), a film based on a novel authored by Alice Walker, depicts a life of an African American woman and sisterhood in the South about 40 years spanning from the 1900s. The time was amid the very first wave of feminism in the United States. In 1920, the 19th Amendment was ratified, and it has guaranteed all American women’s rights to vote. Celie, the main character of the story, connects with three women, who represent relationships with society and the changing women’s status and inspire her to change.

     One of them is described as an iconic flapper girl, who is a representative of a liberal woman in the 1920s. She can express herself as she likes and never gives herself to a man. As a flapper, she is engaged in a nightlife activity as a jazz singer in a glittering costume.

   Another woman whom Celie encounters represents the dilemma between an African American’s freedom and the harsh reality that surrounds an African American woman without backing. Sophia talks back on a street to a white lady, which puts her into lifelong persistent adversity. The paradox in creating interracial sisterhood is included in her episode.

     In this presentation, posterior to discussing the author’s point of view toward the setting and the era, I will illustrate a model of teaching how Celie experiences transformation through encountering three women based on the American women’s culture and history through this film.

      ≪Q&A: 14:25~14:30≫ 

4.14:35~14:55  塚田三千代(翻訳・映画アナリスト)

映画 『ラスト・クリスマス』(Last Christmas, 2019)に観る文化諸相 [SIG]




1980年代に世界中で大ヒットした“Last Christmas”のメッセージが、現在も人々の心の奥底まで響くWHAM!のGeorge Michael作詞作曲と同名の映画である。 “Heal the Pain” “Last Christmas” “Praying for Time” などをBGMに流し、英国のEU離脱に直面する移民家族(旧ユーゴスラヴィアを脱出)、多様国籍のロンドン在住者が英語習得に苦労…、主役歌手オーディションに挑戦するケイトは心臓移植後に情緒不安定になるが、不思議なアジア系の青年トムとの出会いが鍵となって他者を認識するVR(Virtual Reality)などが描かれる。映画全体に明るいユーモアと痛恨の極みが漂う。

研究で考察した知見は語学教育現場の手引きとなり、授業で活用できて適切な教材になる。MCDBキーワード検索: 異文化理解、文化差異、英国の贈答文化、VR(Virtual Reality)

[The movie “Last Christmas” (2019) in view of Cultural Aspects

 The message of the film “Last Christmas” comes from the song of the same name written by George Michael of WHAM! It was a worldwide hit in the 1980s and still resonates deep in people’s hearts today. Many George Michael songs including “Heal the Pain,” “Praying for Time,” and a previously unreleased single, play as background music, and the title song is performed in the finale. The film is about an immigrant family who fled the breakup of Yugoslavia and now live in London as the UK faces the exit from the EU, focusing on an aspiring singer Kate, who is emotionally unstable after a heart transplant. Her encounter with a mysterious young British-Asian man, Tom, is the key to her growing self-maturity. We see as well life among diverse nationalities in London including struggles with learning English. The whole movie has a cheerful humor and a poignant reveal. ]

      ≪Q&A: 14:55~15:00≫ 

5.15:05~15:25  呉春美(神奈川大学)

  映画『グラン・トリノ』に見る異文化理解と社会的背景

【授業実践例】

異文化理解の授業で、映画『グラン・トリノ』を副教材として導入しています。主人公は、元フォード車の組立工で、一人暮らしのイタリア系移民の白人男性です。隣家に引っ越してきたモン族との交流を通して、ノンバーバル・コミュニケーションなどの相違点が浮き彫りになり、その文化的背景について考察します。またこの映画は銃の所持、人種差別や貧困、退役軍人のトラウマなどの社会問題を提示しており、アメリカ文化の理解にも有効な教材であるとも言えます。最後に、映画を使った語学学習とコンテクストラーニングがいかに効果的であるか、マルチモーダリティの観点から検証します。

[In this presentation, I would like to discuss how the film, “Gran Torino,” is effective for cross-cultural understanding.  The film shows how the main character, a white Italian immigrant and retired Ford car assembler, came to accept the Hmong family living next door and made them a part of his life. Themes of racism, immigrants, poverty, war trauma and so forth are also broached, and students can learn about these social problems in American culture. Finally, the effectiveness of multilingualism and multimodality in film-based language learning is considered.]

       ≪Q&A: 15:25~15:30≫

 

6.15:35-15:55  山本五郎(法政大学 現代福祉学部) 

 辞書開発の観点から見たCOVID-19の語法分析

本発表では、2019年の年末から現在に至るまでニュースメディア等で高頻度に用いられているcoronavirus と COVID-19に注目する。COVID-19 (coronavirus disease 2019)と上位語であるcoronavirusは同様に用いられることが多いため,これらの語法分析を目的として,英語雑誌メディアの記事と医学系を中心とした学術論文に基づくコーパスを新たに構築した。

本発表では、 まずBiber(1995)等に触れながら、コロナウイルスに焦点をあてて開発された既存のコーパス(The Coronavirus Corpus)と本研究で構築したコーパスの違いについて述べる。その上で、使用頻度、コロケーション、それぞれの語が用いられる文脈などについて比較分析し、語彙特性を明らかにする。これらの語彙は,Wisdom4版(2019)のような比較的新しい英和辞典を含め,多くの辞書では見出し語項目としては扱われていないものであるため,辞書開発の観点から,今後出版される英和辞典で見出し語として収録する際の語義や用例,サインポスト等について考察し,提示法を提案する。

[This presentation focuses on the usage of “COVID-19” and “coronavirus.” These two synonymous vocabulary items have been frequently used in a variety of media since the end of 2019, but they have yet to be listed in many English dictionaries. To shed light on the common features and differences between these two items, the presenter developed a corpus based on English journal articles and academic research papers. This presentation first gives some insights about the existing corpus, the Coronavirus Corpus (Davies, 2021), and the corpus newly developed for the purpose of this research. Second, definitions, example phrases, and a signpost of these two vocabulary items for inclusion in a future dictionary will be proposed.]

      ≪Q&A: 15:55~16:00≫ 

   

7.16:05~16:25  日影尚之(麗澤大学)

 石油、家族、血ーPaul Thomas AndersonのThere Will Be Blood (2007) を英語・リベラルアーツの授業で教える場合について     [SIG]

Paul Thomas Andersonの There Will Be Blood(2007)を英語・リベラルアーツ専攻の授業で教える場合について考えている。主人公Daniel Plainviewの掘削と埋葬のパターンに病理的内面を読むGeorge Toles(2015)のようなアプローチもあるが、Daniel Worden (2012)は、石油と家族の密接な関係およびその断絶として読む。主人公は “I’m a family man, and I run a family business. This is my son and my partner, H.W. Plainview.”というが、DanielとH.W.の関係は本当の血縁ではなく「石油縁」である。Danielとの血縁を騙る男が登場し、採掘中の事故で聴力を失うH.W.はやがてDanielの言うことを聞かなくなり、最終的には独自に石油ビジネスを始めると言って2人は縁を切る。アメリカの生命線(lifeblood)である石油と血(血縁/暴力)そして宗教の物語は、父、息子とも大統領として米軍主導で中東での戦争を指揮したGeorge Bush 親子およびその背景の大手石油資本の話になる。石油と家族と戦争を扱うGeorge Stevens監督のGiant (1956 )と比較しながら扱うのも良いだろう。授業で教える場合を想定して気をつけるべき点などについて検討したい。

[Oil, Family, and Blood: Approaches to Teaching Paul Thomas Anderson’s There Will Be Blood (2007) in an English and Liberal Arts Major Class

 I’m thinking of teaching Paul Thomas Anderson’s There Will Be Blood (2007) in an English and Liberal Arts Major class. In this presentation I would like to focus on the narrative web of oil, family, and blood in this film based on Daniel Worden (2012) because this approach leads to another important subject of American studies—presidency, oil and religion (George W. Bush and George H. W. Bush). Another approach is to compare George Stevens’ Giant (1956) and TWBB. What and how do we need to teach TWBB in order to promote discussion in a class?]

                                   ≪Q&A: 16:25~16:30≫ 

8.16:30~16:35  閉会挨拶 (Closing)

Informal Virtual Get-together (~17:00)ドキュメント設定を開く公開パネルを開く

  • 文書

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第12回 ATEM(映像メディア英語教育学会)東日本支部 支部大会発表募集

日時:2022年3月13日(日)
会場:オンライン(Zoom予定)
発表募集期間:2021年12月25日~2022年1月25日
内容:例会テーマは特に固定はしておりません。「映像メディア英語教育学会」と
いう学会名が示す通り、各種映像/音声メディアと英語教育が関連していれば受け付
けます。領域も授業実践、教材開発、英語教育論(異文化理解教育等を含む)と幅
広く捉えていただければと思います。ご不明な点などあればご相談ください。
発表時間:発表20分+質疑応答5〜10分を予定しておりますが、発表数によっては
多少調整する場合があります。なお、発表のお願い(採否)については、応募締め
切りから1週間程度でご連絡します。
応募方法:以下の必要事項を電子メール本文に掲載し、ATEM東日本支部宛(ej-
seminar@atem.org)にお送りください。なお、送信後3日経っても返信がない場合
は、再度ご連絡いただけますようお願いいたします。
1.メール表題に「ATEM東日本支部発表申し込み」と記載
2.発表タイトル
3.発表者の氏名(複数名で1つの発表の場合はそれぞれの氏名)
4.発表者の所属(複数名で1つの発表の場合はそれぞれの所属)
5.連絡先(メールアドレス; 複数名で1つの発表の場合はその発表の代表者の連絡
先)
6. 使用言語
7.発表概要(日本語の場合は400字程度、英語での発表は200-300 words)(日本
語発表の場合は、簡潔な英語の説明文をお願いできれば幸いです。)
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Call for Presentations at the 12th ATEM Higashinihon Chapter Conference
Dear ATEM Members:
ATEM Higashinihon Chapter will hold the 12th Chapter Conference (via Zoom)
on March 13, 2022.
We are calling for presentations on English education (language education)
that uses visual and/or audio multimedia including movies, TV dramas,
Youtube, etc. Your presentation should focus on class activities, the
development of language teaching materials, theoretical or empirical
studies, or cross-cultural communication studies, etc.

Each presentation will be 20 minutes with 5 to 10 minutes of Q and A.
We will contact you about the details later.
Application Period: December 25, 2021 to January 25, 2022
Acceptance notice will be sent by email around a week after the application
deadline.
When submitting a proposal, please provide the following information by an
attached Word file to the ATEM Higashinihon Chapter Office
(ej-seminar@atem.org).
1 Please title your email as “ATEM Higashinihon Presentation Proposal.”
2 Presentation title
3 Name
4 Affiliation
5 Email address
6 Language of presentation
7 Abstract (400 letters in Japanese or 200 to 300 words in English; As for
a presentation in Japanese, we would apprecaite a very brief description
in English.)

東日本支部特別企画     A special webinar from the UK based academic association FILTA (Film in Language Teaching Association) and FLAME (Film, Languages and Media in Education)

Speakers

Dr Carmen Herrero (Manchester Metropolitan University, UK)

Dr Isabelle Vanderschelden (co-director of FILTA)

 

Date (日時): Sunday, October 3rd, 2021 / 2021 年10 月3日(日)

Time (時間)17:00-18:10 (Japan time) Starts at 9am UK time

Venue (会場) Online Zoom conference・オンライン形式 (ZOOM)

The webinar will be held in English / 使用言語:英語

Audience capacity: limited to 100 and based on registration order

定員:100名(先着順)

Registration deadline: September 30th

参加申込締切り:2021年9月30日

Register here / 参加申込先 ↓

参加申し込みフォーム ・Registration form

【Program】

Opening Ceremony / remarks (開会式) 17:00-17:05

Professor Hisayuki Hikage (Reitaku University)

Chapter chair of ATEM Higashinihon (ATEM East Japan)

 

Chair / Host: Barry Kavanagh (Tohoku University)

17:05­­ -17:45  

 

The Film in Language Teaching Association (FILTA) and the research Group Film, Languages and Media in Education (FLAME). Presentation, networking and collaborative projects

 

Dr Carmen Herrero and Dr Isabelle Vanderschelden

 

This session will offer a brief overview of the Film in Language Teaching Association (FILTA) and will introduce some of the case studies and research carried out over the last five years by the Manchester Metropolitan research group Film, Languages and Media in Education (FLAME). Taking into account the growing significance of visual cultures in education, especially the increased popularity of streaming services and the video sharing site YouTube since the start of the pandemic, this session will pay particular attention to the project Transmedia in Education: New Approaches to Transmedia and Language Pedagogy. The final part of this talk will invite participants to discuss possible collaboration opportunities.

 

17:45-18:05

Q&A and discussion

質疑応答/ ディスカッション

 

Closing ceremony / remarks (閉会式) 18:0518:10

Barry Kavanagh (Tohoku University)

 

 

Speakers biodata

 

Dr Carmen Herrero is Principal Lecturer in Spanish in the Department of Languages, Information and Communications at Manchester Metropolitan University, UK. She is director of the research group Film, Languages and Media Education [FLAME] (www2.mmu.ac.uk/languages/ flame/). Carmen is the co-founder and co-director of the Film in Language Teaching Association (www.filta.org.uk). Her research focuses on educational research, film pedagogy, and Screen studies.She has published widely on Spanish film and the use of film in language teaching, including the book Using Film and Media in the Language Classroom, eds. Herrero and Vanderschelden (Multilingual Matters, 2019).

 

 

Dr Isabelle Vanderschelden is an independent researcher. She has published widely on French cinema and use of film in language teaching, including Amelie (IB Tauris, 2007) and Studying French Cinema (Auteur, 2013). She is a co-founder of FILTA and a member of FLAME. With Dr Herrero, she has been involved in the AHRC Open World Research Initiative Cross-Language Dynamics: Reshaping Community with a project on Language Teaching Training and Transmedia Pedagogy (www.transmediaineducation.com)

 

 

 

Enquiries

Please contact Barry Kavanagh (ATEM East Japan committee member) at

kavanagh.barry.e7@tohoku.ac.jp

 

問い合わせ先

ご質問は以下にお願いします。

バリー・カヴァナ(ATEM東日本大会企画担当)kavanagh.barry.e7@tohoku.ac.jp

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