2018年映画英語教育学会(ATEM)東日本支部春季例会のお知らせ

日時: 2018年3月25日(日) 13:00開会
会場: 麗澤大学東京研究センター  新宿区西新宿6-5-1新宿アイランドタワー4F(新宿西口徒歩10分)

プログラム詳細(印刷用データはこちら)

【パネル・ディスカッション】 13:00~14:30

映画英語教育におけるトップダウン・ボトムアップ手法の可能性

―4技能の向上からクリティカル・シンキング、専門分野の講義まで―

司会パネリスト:

スプリング・ライアン(東北大学)

清澤香(国際基督教大学)

吉田雅之(早稲田大学)

本パネル・ディスカッションでは、映画を英語教育に取れ入れる際、トップダウン(映画を決めてからレッスンをそれに合わせて作成)とボトムアップ(元々のレッスンがあって、レッスンをサポートするように映像を使用)という二つの方法があることを紹介した上で、それぞれの導入方法における問題点と考慮すべき点について話す。トップダウン・ボトムアップのそれぞれの実例を取り上げ、実際のレッスンを作成する際に、どのような注意などが必要かを紹介する。トップダウンの実例として、映画やTVドラマを1年生の聴解・作文・スピーキング練習として使うレッスンなどを紹介する。ボトムアップの実例として、発音レッスンとクリティカル・シンキングのレッスンなどを紹介する。パネリストの経験に基づいて、これまでの問題や対策について話し、将来の可能性(ネット活用など)についても話す。その後は質疑応答を行いながら、フロアの皆様と話し合う。参加者全員が映画英語教育の現状を把握し、今後の自身の教授法を考えるきっかけになれば幸いである。

【休 憩】 14:30~14:40 (10 分間)

【研究発表】 14:40~17:10

※ 研究発表につきましては、質疑応答・発表者交替の時間も含めての時間表示になっております。

1.小嶺智枝(明治大学) 14:40~15:10

英米児童文学を読む ―児童文学教材と映像を通して―

初級英語選択科目(Reading)において、私は簡素化・短縮された英米児童文学教材を使用しております。Anne of Green Gables, Peter Panや The Borrowersなど誰もが知っている児童文学を読み、映像活用によって更なる文脈の理解度を増すことを目標とします。この発表では、児童文学と映像を比較しながら読解力・思考力を高める練習方法を紹介させて頂きたいと思います。

【休 憩】 15:10~15:20 (10 分間)

2.木下律子(創価大学大学院 博士後期課程2年) 15:20~15:50

Harry Potter and the Deathly Hallows (2007) における死生観

  ―映画と原作にみる二つの“Death”―

「ハリー・ポッター」シリーズ最終作『ハリー・ポッターと死の秘宝』(Harry Potter and the Deathly Hallows, 2007)において、「死」が様々な角度で描かれている。原作の第21章では、登場人物が死を擬人化した物語を朗読する。一方映画では朗読と同時に、アニメーションによって死が視覚化される。作者J. K. Rowlingは映画のシナリオや演出には携わっておらず、映画監督のDavid Yatesは本作について、原作のディテールをなるべく入れることに気をつけたと語っている。しかし映画と原作を比較すると、映画の方では死についての言語表現が異なり、映画独自の演出効果が加わっていることが分かる。そのため死をどのような姿形で捉え、死後の世界をどのような思想に基づいて表現するのかという点で映画と原作では大きな違いが生じるのではないだろうか。本発表では映像のメタファーの視点から、映画と原作における“Death”の相違点を明らかにし、それぞれの “Death”に対するイメージの文化的背景や、Rowlingの死生観について考察する。

【休 憩】 15:50~16:00 (10 分間)

3.鈴木政浩(西武文理大学) 16:00~16:30

PCフリーソフトを活用した映画教材開発の一例

本発表は,PCで使用可能な無料画面キャプチャを使った洋画の教材作成の実際と,これらの教材を使用した授業実践例を紹介することである。DVDのリッピング(データの吸出し)には著作権法上の制限があり,その後のデータ加工も極めて複雑である。本発表ではPCの画面を音声を含め動画で保存することができるフ リーウエアを用いた。対象者は都内の大学生25名,授業実施期間は2017年10月か ら2018年1月であった。対象者は授業者があらかじめ切り出したDVDの英語字幕と日本語字幕の動画を見ながら字幕の内容理解と比較検討をした後,英語音声の オーバーラッピングに取り組み音声を録音した。授業者は動画編集ソフトを使用し,動画にBGMと学生の音声を重ね鑑賞した。個別の取組がメインである点については好評であったが,3名以上のグループワークを実施する環境が得られなかった。当日はこの課題を克服する方法についても言及したい。

【休 憩】 16:30~16:40 (10 分間)

4.吉田雅之(早稲田大学) 16:40~17:10

逐語訳ではない作文教育を目指した二ヶ国語ニュース利用

英作文授業の初級レベルでは「与えられた日本語を英訳する」パターンが多いので、中級レベルに進んで自由英作文する際にそのクセが抜けず、「和英辞典に載っているから、この英語表現でいいはずだ」などと主張する学生がいる。しかしこの方法で満足してしまうと不自然な英語表現が残ってしまう。発表者は中級レベルで「データを用いた英語プレゼンを行う」授業を担当する際、このような弊害をなくすため、NHKの日本語ニュースがどう英訳されているか(同時通訳ではなく予め英語訳が用意されている場合に限る)を分析させる練習を一部で取り入れている。手法としては(1)まず学生に日本語原稿を英訳させ、(2)次にその英訳と、プロの英訳を比較させる(時間があれば dictation させる)ことにより、(3)日本語を英語に直しただけでは分かりやすい英語にならない場合があることに気づかせる。(4)その結果、添削指導を学生が積極的に受け入れるようになる。

*問い合わせ:e-mail(ej-seminar@atem.org)*事前申し込みの必要はありません。

*参加費無料 *例会終了後、懇親会を予定しています。

懇親会  参加を希望される方は、受付にてお申し出ください。

 時間: 18:00~20:00

場所: CHINADOLL 新宿アイランドタワー店

参加費: 4,000 円 ☆中華コース飲放題付き☆ (受付時にお支払いをお願いいたします。)

ATEM 会員募集 皆さまのご入会をお待ちしております! 入会を希望される方は受付にお申し出ください。

会場:麗澤大学東京研究センターhttp://www.reitaku-u.ac.jp/daigaku/campus/campus01.html 東京都新宿区西新宿 6-5-1 新宿アイランドタワー4 階 新宿駅西口より徒歩8分