大月敦子(ATEM東日本支部、専修大学)
本作品は現在、NETFLIXやhuluなどの有料動画配信から視聴することができます。2013年に韓国で放映され大ヒットした、TVドラマ『グッド・ドクター』のアメリカ版になります。ここで敢えて取り上げずとも、すでに多くの方々が視聴されていることと思います。私も大好きな作品で、第7シーズンまで製作が完了しているそうですが、日本では現在、第6シーズンまで視聴することができます。
各シーズンが18〜22のエピソードから成る超長編にもかかわらず、エピソード毎に社会的テーマ、医療問題、普遍的なテーマ(愛・家族・友情)などが丁寧に描かれているため、英語学習用としても飽きることなく繰り返し何度も視聴できるお勧めの作品です。物語は、特定の分野において優れた才能を持つ自閉症の外科医マーフィー(Murphy)を中心に、医療現場での出来事を通して、今日的なテーマを背景に主人公や周囲の人々の成長が描かれています。
題名からも分かるように医療英語が学べるのはもちろんのこと、流行の口語表現も満載です。映画やTVドラマから英語を学ぶメリットの一つは、普段のテキストには見られない、日常的に使われる口語表現に接することができることではないでしょうか?そこで本作品のシーズン6のエピソード2から、“使ってみたい表現” “注目すべき構文” “注目すべき医療表現”を数点えらんでみました。皆様が視聴する際の参考になれば幸いです。
使ってみたい口語表現
- a man: Can I give you a hand?
(手伝いましょうか?)
b. Dr. Lim: Oh. No, thanks.
(大丈夫、ありがとう。)
Everything in its place.
(完璧よ。)
個人的には、例文a. “give 〜 a hand”は知っていても会話の中では使えず、とっさに“help”を使ってしまいますが、頑張って使ってみたいものです。英会話上級者の印象を与えること間違い無し! 一方、例文b. “Everything in its place.” を会話の中で使うのは少しハードルが高い気がします。でも、気持ちの準備をしていれば使えるかもしれません。
注目すべき構文(語順)
- a patient: What’s the hell do you think I’m here for?
(いったい俺が何のためにここにいると思ってるんだ?)
b. a shooter: What’s the tray for?
(そのトレーは何に使うんだ?)
“What‘s ~ for?” は、「何のための〜?」の意味の口語で良く使われる構文ですが、学習用としては余り見かけない気がします。さらに例文a.では、この構文に “the hell” と “do you think” が挿入されています。その上 “What the hell!” 「まじかよ!」という意味のスラングとかけ合わせるという神業的な手の込んだ表現になっています。このような表現に接すると、個人的な感想ですが、鳥肌が立つくらい楽しくなってしまいます。
注目すべき医療表現
- a patient: It still feels like I’m choking.
(まだ息が詰まるような感じなんだ。)
b. Dr. Wolke: Your bedside manner is impressive.
(君の患者への接し方は見事だった。)
例文a. の“I’m choking”は、非常事態に備えて、日頃から使えるようにしたいものです。例文b.の “bedside manner”のmannerは「方法」「やりかた」の意味ですが、これにまつわる造語は数多く、洗練されたニュアンスを持ちます。また、ここでのbedsideは、ベッドに横たわる「患者」を意味します。修辞法の一種で、近接性から成る換喩(metonymy)による意味の拡張と考えることができます。“bedside book”「(子どもが寝る前の)読み聞かせ本」 “bedside story”「(子どもを寝かしつける時の)お話」なども同様と考えます。
参考資料
『グッド・ドクター 名医の条件』
(グッド・ドクター めいいのじょうけん、原題: The Good Doctor). 2017~
製作:ショア・Z・プロダクションズ3ADエンターメディア
ABCスタジオズ (シーズン1-3)
ABCシグネチャー (シーズン4- )
ソニー・ピクチャーズテレビジョン
配給:ディズニー/ABC・ドメスティックテレビジョン/
ソニー・ピクチャーズテレビジョン