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2019年ATEM東日本支部夏季例会プログラム

日時:2019年6月16日(日) 13:00開会

会場:早稲田大学14号館514教室

169-0051 東京都新宿区西早稲田1丁目6−1

(東京メトロ東西線「早稲田駅」より徒歩5分)

 

【研究発表】

13:10~17:10

 

  1. Beyond Presentations: PowerPoint for ESL Activities, Games and Review (13:10~13:40)

Eric Shewack  (Tohoku University)

 

PowerPoint is widely known for its presentation abilities used in multitudes of environments such as business meetings, classrooms, conferences, etc. However, it is not as commonly known for its powerful ability to produce elaborate multi-media ESL review games such as TV-style trivia shows, card games for vocabulary drills, general knowledge quizzes, exam review games and so on. These activities not only offer enjoyable classes which maximize student motivation and reinforce class material in a fun, yet educational manner, but also make use of CALL technology that utilizes all aspects of multimedia from sounds to videos and visuals. Though some knowledge of photo editing software is beneficial in creating these kinds of activities, this presentation aims to introduce creative activities which every PowerPoint user can implement in the classroom.

 

2.『Ben is Back』『Beautiful Boy』に観る家族間コミュニケーションの英語 (13:50~14:20)

代表:塚田三千代(映画アナリスト・翻訳)  共同:田淵龍二(ミント音声教育研究所)

 

映画 『Ben is Back』と『Beautiful Boy』の2作品は、親の知らない場所でドラッグ依存症になっていた子供の更生に、不滅の愛で立ち向かった家族の物語を描いている。

前者は、鎮痛薬オピオイド(opioid)の過剰投薬で、薬物依存へと変じた息子を支える家族の物語である。後者は、自然と文化に恵まれた環境の中で、普通の子供が親に隠れて興味本位で乱用したドラッグが高じて依存症になり、その更生に葛藤して向き合う家族の実話に基づいた映画作品である。再生への「回路」で繰り返す再発と更生を勧める対話が繰り返される。父と息子は回想して語るが、その ‘narrative context’は交差し合う。状況が静かでリアルな映画手法で描かれるので、明るい希望が湧く。

‘social issues’としての《依存症の更生》は、メッセージとして伝わってきて、我々の知見の地平が広がる。メッセージに関わる「依存症更生と家族間のコミュニケーション回路」に見える英語を考察する。

 

 

 

  1. 『Ben is Back』『Beautiful Boy』に観る家族間コミュニケーション

/ 映画英語表現の深堀り(14:30~15:00)

代表:田淵龍二(ミント音声教育研究所 ) 共同:塚田三千代(映画アナリスト・翻訳)

 

映画は優れた語学教材である。人間性と文化の豊かさや複雑さが学べる一方、他方では場面や心情に適した表現が体験的に習える。しかし、この両面を同時に提示する授業は思うほど簡単ではない。そこで、文化面(塚田)と言語面(田淵)を区別しながら融合する共同研究をおこなった。本発表では映画における英語表現の側面に焦点を当て、特徴的フレーズを抽出した。抽出条件は、(1) 物語展開のカギとなるシーンのフレーズ、(2) 広い応用範囲の2つとした。条件(1)は人間性と文化に通じ、条件(2)は言語表現に通じる。条件(1)では予告編を活用し、条件(2)では映画映像コーパスで深掘りする。例えば『Ben is Back』ではセリフ”It’s on you. お前のせいだ” を取り上げる。そして空間的配置を示す on が人についた場合の語感を複数の映像シーンで探求する。また、「~のせいだ」の英語表現もコーパス検索しつつ、場面に応じて使い分けできる語学力の形成を目指した。

 

【休憩:15:00~15:20】

 

  1. 映像メディアを取り入れた句動詞の指導:映像導入の前後データの比較(15:20~15:50)

スプリング ライアン(東北大学 高度教養教育・学生支援機構)

 

英語学習において、句動詞の使用と理解はとても重要な要素の一つであるが、動詞枠付け言語(日本語、韓国語、スペイン語など)を第一言語とする英語学習者にとって、それはとても困難である(Liao & Fukuya, 2002; Spring, 2018など)。Yasuda (2010)やSpring (2018)によれば、句動詞の指導に認知言語学の知識を加えれば、日本人学生はより効率よく句動詞を習得することができたとするが、両者は主に言語学の観点からこの問題に取り組んでおり、教室で実施するタスクに関しての考察が課題であった。そこで、Spring (2019)は、映像メディアを句動詞の指導に加えたことにより、学生が楽しく学習できたと報告している。ただし、Spring (2019)の結果によれば、学生は映像メディアを使用しない練習問題と映像メディアを使用した課題のどちらも同じぐらい参考になった。本発表では、Spring (2018)やSpring (2019)の結果を踏まえて、練習問題に映像メディアを導入した場合の結果を報告し、導入前後の学生の意見および句動詞クイズの点数を比較し、より効果的な映像メディア使用方法を探る。

 

 

  1. 映像にみるアイルランド英語(16:00~16:30)

吉田雅之(早稲田大学)

 

一般に「アイルランド英語」といった場合、「アイルランド語(ゲール語)の影響を受けた英語」という「狭義のアイルランド英語」を指す場合とは別に「広義のアイルランド英語」が存在する。実際に文学作品などの分析で多用されているのは後者である場合が多い。その特徴の中にはイギリスにおける regional dialect すなわちイギリス北方方言(数百年前の英語の一部を垣間見ることができる)の特徴と、さらに class dialect すなわち non-standard English (イギリス国内でstandard / non-standard を意識するようになったのは18世紀後半以降のこと)の特徴があり、それがアメリカにおけるアイルランド系移民の英語の特徴ともなっている。本発表では英語史の視点を利用しつつ、映画を中心とした映像の中で使われている広義のアイルランド英語を分析する。もしステレオタイプがあるとしたら、それは何なのかを指摘し、合わせてアイルランド系移民にみられる言語以外のステレオタイプについても触れてみたい。

 

 

  1. 映画で考えるトランスジェンダー:

男性から女性へ『レディ・ガイ』&『Girl/ガール』(16:40~17:10)

清水 純子(慶應義塾大学)

 

性的少数者(LGBT)差別解消の取り組みが日本でも進んでいる。2015年東京都渋谷区議会で同性カップルの結婚に準じる関係を認める「パートナーシップ証明」が可決され、2016年日本政府はLGBT生徒への対応を記した教職員向け手引きを発行、2017年いじめ防止基本方針の改訂にLGBT生徒保護の項目が盛り込まれた。しかし現実にはLGBTに対する差別と偏見はなくならない。就活ではLGBT カミングアウトにより採用候補から除外の差別が報告される。

LGBTは依然としてデリケートな問題であるため、LGBT関連映画の教室公開には配慮が必要だが、教壇に立つ教師はあらかじめLGBTの問題点とLGBT当事者の気持ちを理解しておく必要がある。今回は、男性から女性への変身①強制的転換『レディ・ガイ』と②自発的転換『girl/ ガール』の2例からトランスジェンダーを考えてみる。

 

 

 

2019年ATEM東日本支部春季例会プログラム

【講演】                                   13:00-14:00

講演者:赤塚祐哉(早稲田大学本庄高等学院)
題目: 「国際バカロレアの英語授業における映像メディアの
活用実態と可能性」

概要:多様な価値観が共存し、物事を多面的に捉える重要性が高まり、高次思考力(略称HOTS)レベルの問いについて探究する批判的思考を育成する授業の重要性が指摘されています。ところが、英語の授業では、言語運用力が障壁であると捉えられ、そうした力を育成する体系的な教育方法の確立にまで至っていません。そこで基本となる問いとして、「HOTSレベルの問いを中心とした英語授業は、言語運用力と批判的思考の育成に対してどの程度に有効に機能するのか」を設定し、国際バカロレア・ディプロマプログラム(略称IBDP)」の外国語科目「Language B」に着目したいと思います。今回は、その科目の中で取り扱われる映像メディアの活用実態と可能性について議論したいと考えています。

≪Q&A 15分の後休憩15分≫

 

【研究発表】

1.清水純子(慶応義塾大学)                                                      14:30~14:55
塚田三千代(映画アナリスト・翻訳家)                                                         15:00~15:25
「『ビリーブ 未来への大逆転』、『レプリカズ』、『メリー・ポピンズ  リターンズ』、『運び屋』に見る文化と人間性の考察」
今回取り上げる映画4本を通して英米文化の断片と人間性の考察を試みる。『ビリーブ 未来への大逆転』では、公民権運動たけなわのアメリカで、女性弁護士RGB(ルース・ベイ・ギンダーズバーグ)が、ジェンダー・フリーを法廷において勝ち取る苦悩と栄光の足跡をたどる。キアヌ・リーブス製作主演の『レプリカズ』では、家族愛が招く禁断の人間クローン製造について考える。初作の55年後に製作された本映画『メリー・ポピンズ リターンズ』は、ディズニー映画文化の奥の深さを感じさせる。ディズニーは、原作者P.L.トラヴァ―への献辞「アニメはご法度。ミュージカルもダメ。脚本は原作者の承認を得ること」を守っているからだ。4本目の『運び屋』は原題の“The Mule”という語の意味作用と内包する文化を表象している。退役軍人と百合の新種栽培、インターネット通販時代の到来で破産した後の再起を描く。家族とは…?不法物運搬人と取締り現場責任者や組織トップとの人間性の優しい心情を垣間見せ、アメリカ移民社会文化の一端を浮き彫りにする。
これら4本の映画をMCDB(映画と文化データベース)及び『J.シミズの映画レビュー』に所収するにあたり、諸意見と判定を求む。

≪Q&A 10分の後休憩5分≫

2.田淵龍二(ミント音声教育研究所)     15:40~16:05
「日英映像対訳コーパスによる May I? など機能語だけの文に
よる学習法」

 

簡易に運用できる言語表現の要望に応える学習法PCB-DDLを提案する。PCB-DDL(parallel-corpus-based data driven learning)は対訳コーパスによるデータ駆動型学習である。ある目的で集められた用例を連続して見聞きすることで文法や意味を自律的帰納的に発見し習得する。PCB-DDLは乳幼児の言語習得過程に似ており、人工知能(AI)の深層学習にも使われる。今回は、容易に記憶可能な短文のうち”May I?”や”Can You?”など機能語だけの文を対象とした。対訳コーパスはコーポラ(CORPORA)のSeleafを使った。Seleafは映画映像コーパスである。英語表現の場面(文脈)と発音(抑揚)を同時に確認できるので、/may i/が抑調の付加疑問なのか、揚調の疑問か、言い淀みの平調かを判別できる。助動詞にはcan, do, may, must, shall, will、人称代名詞には I, you, we, he, her, they のそれぞれ6種を用いた。その結果/may i↑/などは身振りと合わせると効果があることがわかった。

≪Q&A10分の後休憩5分≫

 

3.吉田雅之(早稲田大学)          16:20~16:45
「映像で考えるアイルランド系人名」

アイルランド系の人名の中で有名なのは Mac や O で始まる人名であるが、当事者にとっては当たり前のように見えても、英語学習者にとっては、たとえば「マッカーサー」という名前の中にアイルランド系文学の中で最も有名な人名のひとつと言える「アーサー王」の名前が埋め込まれていることに気づく人は少ないのではないだろうか。本発表では身近なアイルランド系人名の語源をたどりつつ、人名と歴史・文化との関係をさぐりたい。また英語史、特に綴り字と発音の変化に関する知識が人名の探求に寄与することを確認したい。アイルランド語(=ゲール語)の文字体系と発音体系は英語のそれと異なる点が多く、アイルランド系人名が英語圏文化の中で使用されるうちに英語風の発音を独自に発達させて Anglicized pronunciation が成立する様子も探っていきたい。

≪Q&A 10分の後休憩5分≫

4.ライアン・スプリング(東北大学)    17:00~17:25
「Developing speaking skills through short film creation:
A preliminary analysis」

A number of studies have suggested that short film creation can be an effective task for students in a project-based language learning (PBLL) class (e.g. Dooly & Sadler, 2015; Hafner et al., 2015; Spring, 2019). However, no studies have been performed to verify the effects that short film creation in a foreign language can have on students’ oral abilities through objective measures. This study introduces a preliminary investigation of data taken from two short film creation PBLL classes of L1 Japanese EFL students. Pre and posttests of speaking were utilized to collect data, and then analyzed through objective measures of fluency, syntactic complexity, semantic complexity, syntactic accuracy and pronunciation accuracy (as per Lambert & Kormos, 2014). Initial results revealed that statistically significant differences were found in some measures of students’ fluency, syntactic complexity, syntactic accuracy and pronunciation accuracy, but not in their semantic complexity. These results suggest that accuracy and fluency are most likely to be improved through such a PBLL task.

≪Q&A 10分≫

閉会の辞

17:40ころ終了予定

 

会場:麗澤大学東京研究センター

http://www.reitaku-u.ac.jp/daigaku/campus/campus01.html

東京都新宿区西新宿6-5-1*問い合わせ:e-mail(ej-seminar@atem.org

*事前申し込みの必要はありません。

*参加費無料(例会終了後、懇親会を予定しています。)

*会場:新宿アイランドタワー4階 新宿駅西口より徒歩8分

 

 

2019年ATEM東日本支部夏季例会のお知らせ

日時:2019年6月16日(日) 13:00開会

会場:早稲田大学14号館514教室

169-0051 東京都新宿区西早稲田1丁目6−1

(東京メトロ東西線「早稲田駅」より徒歩5分)

【研究発表】

  1. ‟Beyond Presentations: PowerPoint for ESL Activities, Games  and Review”  Eric Shewack  (Tohoku University)

2. 「『Ben is Back』『Beautiful Boy』に観る家族間コミュニケーシ   ョンの英語」  代表:塚田三千代(映画アナリスト・翻訳)  共同:田淵龍二(ミント音声教育研究所)

3.「『Ben is Back』『Beautiful Boy』に観る家族間コミュニケー  ション / 映画英語表現の深堀り」代表:田淵龍二(ミント音声教育研究所 ) 共同:塚田三千代(映画アナリスト・翻訳)

  1. 「映像メディアを取り入れた句動詞の指導:映像導入の前後データの比較」  スプリング ライアン(東北大学 高度教養教育・学生支援機構)

5. 「映像にみるアイルランド英語」 吉田雅之(早稲田大学)

6. 「映画で考えるトランスジェンダー:男性から女性へ『レディ・ガイ』&『Girl/ガール』」 清水 純子(慶應義塾大学)

プログラムはこちら

 

ATEM(映像メディア英語教育学会)東日本支部2019年度夏期例会   研究発表募集のお知らせ

ATEM東日本支部会員の皆さま、
元号も令和と改まり新年度が深まる中、お忙しくお過ごしのことと存じます。さて、2019年度のATEM東日本支部夏季例会に向け、研究発表を募集致しますので、以下にご案内申し上げます。どうぞ奮ってご応募ください。

例会日時:6月16日(日)、13:00~(予定)
会場:早稲田大学14号館514教室 (従来の麗澤大学 東京研究センターとは異なります。ご注意ください)
発表募集〆切:5月10日(日)

応募内容:例会テーマは特に固定はしておりません。「映像メディア英語教育学会」という学会名が示す通り、各種映像/音声メディアと英語教育が関連していれば受け付けます。領域も授業実践、教材開発、英語教育論と幅広く捉えていただければと思います。ご不明な点などあればご相談ください。なお、発表時間は、発表(約)20分とし、その後の質疑応答・発表者交替時間を含め、(約)40 分とします。

研究発表募集要項:以下の必要事項を電子メール本文に記載し,ATEM東日本支部宛 ej-seminar@atem.orgに送信してください。

1. 発表題目(日本語発表の場合は日本語,英語発表の場合は英語で)
2. 発表者全員の氏名
3. 発表者全員の所属
4. 連絡先(代表者のメールアドレス,緊急時連絡先電話番号(携帯電話番号等))
5. 発表概要(400字以内、英語での発表は200 words 以内)

ATEM(映像メディア英語教育学会)[旧称:映画英語教育学会] 東日本支部企画委員

2019年ATEM東日本支部春季例会

日時:3月24日(日曜日)午後1:00~5:25

会場:麗澤大学東京研究センター

新宿アイランドタワー4F新宿西口徒歩8分


13:00~14:00 講演

赤塚祐哉(早稲田大学本庄高等学院)
「国際バカロレアの英語授業における映像メディアの
活用実態と可能性」

14:30~17:25 研究発表

*問い合わせ:e-mail(ej-seminar@atem.org

*事前申し込みの必要はありません。

*参加費無料(例会終了後、懇親会を予定しています。)

プログラムはこちら

映像メディア英語教育学会(ATEM)東日本支部2018年度支部大会研究発表募集のお知らせ

ATEM東日本支部会員の皆さま、

秋学期始めにさしかかりつつあり、皆様お忙しくお過ごしのことと存じます。 さて、2018年度ATEM東日本支部大会の研究発表を募集致しますので、ご案内申し上げます。皆様、奮ってご応募ください。

支部大会 日時:1216日(日)1000

会場:麗澤大学研究センター(新宿アイランドタワー4F

大会テーマ:
テーマは特に固定しておりません。映画、テレビドラマ等、少しでもメディアに関連していれば範囲内であることと、そこに英語教育が関連していれば受け付けます。

発表募集〆切:114

研究発表募集要項 以下の必要事項を電子メール本文に記載しATEM東日本支部宛 ej-seminar@atem.orgに送信してください。

1.発表題目(日本語発表の場合は日本語、英語発表の場合は英語で)発表時間は質疑応答を含めて 40 分程度です。

2.発表者全員の氏名

3.発表者全員の所属

4.連絡先(代表者の住所、メールアドレス、電話番号)

5.発表概要(400 字以内、英語での発表は 200 words 以内)

映像メディア英語教育学会  東日本支部企画委員

ATEM(映像メディア英語教育学会)東日本支部 2018年度夏季例会のお知らせ

<2018年6月24日(日曜日)13:30~17:50 / 会場:麗澤大学東京研究センター >

 

プログラム(発表要旨は本ページ下部に記載されています。)

※印刷用はこちら

 

  1. How to Incorporate Japanese Movies and Foreign Movies with Japanese Subtitles in a Content-based Reading Class (13:30-14:10)

Keita Yagi (International Christian University)

 

  1. 映画『古都』(The Old Capital)に於ける文化の多様性―MCDB― (14:10-14:50)

塚田三千代(翻訳家・映画分析家)

 

  1. 「英語嫌い」を克服させるための動画アプローチ(実践報告)(14:50-15:30)

中村佐知子(中央学院大学)

 

<20分間休憩> (15:30-15:50)

 

  1. 実写版映画併用による Anne of Green Gables の作品分析 (15:50-16:30)

石井英津子(東京女子医科大学,共立女子大学)

 

  1. 実践報告:高校におけるEdmodoの活用について (16:30-17:10)

濵中啓子(東京都立両国高等学校・附属中学校)

 

  1. Stereotypes, myths, misconceptions and realities:

Representations of martial arts and Japanese culture through the film and media

of the west and Japan in a CLIL based English class. (17:10-17:50)

Barry Kavanagh (Tohoku University)

 

*問い合わせ:e-mail(ej-seminar@atem.org

*事前申し込みの必要はありません。

*参加費無料(例会終了後、懇親会を予定しています。)

 

会場:麗澤大学東京研究センター

http://www.reitaku-u.ac.jp/daigaku/campus/campus01.html

東京都新宿区西新宿6-5-1新宿アイランドタワー4階 新宿駅西口より徒歩8分

 

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2018年度夏季例会 発表要旨

 

  1. How to Incorporate Japanese Movies and Foreign Movies with Japanese Subtitles in a Content-based Reading Class (13:30-14:10)

Keita Yagi (International Christian University)

 

This case-study presentation will report on a university level content-based academic reading course, which aims to teach content as well as reading strategies by using authentic texts. This is a core course for freshmen students at a bilingual university in Tokyo and treats two different content areas each term: educational values and argumentation (critical thinking) in the spring term, intercultural communication and issues of race in the autumn term, and ethical issues and visions of the future (peace studies) in the winter term. Although the classes were conducted in English only, the presenter used two Japanese movies and two foreign movies with Japanese subtitles in the final classes. These movies allowed students to apply concepts they had read about and to discuss the texts in more depth. After reviewing the role of L1 in the second language learning classroom, he will explain which movies he chose for which topics and how he presented these movies to the class, discussing the advantages and disadvantages of this approach.

 

  1. 映画『古都』(The Old Capital)に於ける文化の多様性―MCDB― (14:10-14:50)

塚田三千代(翻訳家・映画分析家)

 

映画は電波で動く映像の連続体として、製作された時代の社会状況や文化事情をふまえてリメイクされるのは然るべきである。一方、小説は紙媒体の文字で在る限りでは、同一次元に存在し続けることができる。

『古都』(2016年版)は川端康成の小説に基づく第3作目で、初作に比べると‘大きい差異’がある。双子姉妹の千重子と苗子が娘を持つ20年後の現在に置き換えられ、彼女たちの娘の舞と結衣が人生のターニングポイントで悩む姿をクローズアップして映像化する。古都とは何か。小説や映画(1963&2016)で、その見るものと見られるものをどう表現しているかを考察する。

本映画は「映画と文化データベース」(MCDB)に所収してある。

http://home.d03.itscom.net/mkart/pg71.html

 

  1. 「英語嫌い」を克服させるための動画アプローチ(実践報告)(14:50-15:30)

中村佐知子(中央学院大学)

 

大学での英語指導において、「英語嫌い」の学生に対してどのように英語に興味を持たせ、その面白さに気づかせ、かつ英語力を上げるか、というのは担当講師にとって大きな課題である。そうした学生に対し、オンライン動画を用いた英語の授業を実施することは、下記の理由から非常に有効であると考える。

1) 学生の興味に沿った動画素材を使用することで、内発的動機づけが高まる。

2) 初心者レベルの学生であっても、Authenticな英語に触れられる。

3) トップダウンプロセスを駆使して内容を理解することができる。

4) 集中力が持続する。

5) 語彙習得の際の印象づけができる。

6) Non-verbalコミュニケーションの要素を学び、それを自身のプレゼンテーションに活かすことができる。

7) 英語の動画が「理解できた」喜びから新たな学習意欲が生まれる。

オンライン動画を用いた授業実践例の紹介、学生の反応、今後の課題等を発表する。

 

  1. 実写版映画併用による Anne of Green Gables の作品分析 (15:50-16:30)

石井英津子(東京女子医科大学,共立女子大学)

L.M. Montgomeryの代表作である『赤毛のアン』(Anne of Green Gables, 1908) の原書に対する理解を深めるにあたって、実写版映画を併用して文学の授業や英語教育を行うことは効果的である。本発表では、1985年にカナダで公開された映画Anne of Green Gables(Kevin Sullivan監督)に注目した。原書における風景描写や文化的時代背景(住居:Green Gables、服装:Puffed sleeves、髪型:Pompadour、学校の様子や近所との付き合いなど)が、映画を観ることで、より色彩豊かでかつ躍動的なイメージとして捉えられやすい。また、原書と映画において異なって描写されるシーンを通じて、そこに秘められた作者Montgomeryの意図やメッセージがより一層強調される。本発表では実写版映画を併用することがより効果的と思われる点について具体例をあげて考察する。

 

  1. 実践報告:高校におけるEdmodoの活用について (16:30-17:10)

濵中啓子(東京都立両国高等学校・付属中学校)

 

授業内だけでなく、授業以外の場面でも英語でのコミュニケーション活動が継続して行われることを期待して、SNS機能を持つEdmodoの利用を試みている。今回の発表では、Edmodoの概要と、高校一年生向けの講座でどのように利用しているのかを報告する。

 

  1. Stereotypes, myths, misconceptions and realities:

Representations of martial arts and Japanese culture through the film and media of the west and Japan in a CLIL based English class. (17:10-17:50)

Barry Kavanagh (Tohoku University)

 

The word stereotype comes from the Greek “stereos” meaning “firm or solid” and “typos” meaning “impression”. Stereotypes can be both positive and negative. Some of these stereotypes can be found in Western films that depict Asian culture and its martial arts and in Hollywood movies characters such as Mr Miyagi from the karate kid are represented as wise, mystical and Zen like.

This presentation will give an account of a class that combines advanced Japanese learners of English with foreign exchange students. The course examines some of the stereotypes and misconceptions of martial arts and Japanese culture, through both western and Japanese movies and television media from the 1960’s to the present day.

Utilizing a CLIL framework, students were given the scaffolding they needed to discuss, debate and present on themes such as film characterization of Asians, misconceptions about martial arts and orientalism in western media. The multicultural and multinational make-up of the class lent itself to a cross-cultural comparison of Japanese and western view of martial arts and Japanese culture and how it has evolved and changed in the past fifty years.

 

ATEM(映像メディア英語教育学会)東日本支部2018年度夏期例会  研究発表募集のお知らせ

ATEM(映像メディア英語教育学会)東日本支部2018年度夏期例会  研究発表募集のお知らせ

ATEM東日本支部会員の皆さま, 新年度も本格的にスタートし,お忙しくお過ごしのことと存じます。さて,2018年度ATEM東日本支部夏季例会の研究発表を募集致しますので,ご案内申し上げます。皆さま,奮ってご応募ください。

例会日時:6月24日(日)13:00~

会場:麗澤大学 東京研究センター(新宿区西新宿6丁目5-1,新宿アイランドタワー4F)

発表募集〆切:5月6日(日)

(例会テーマは特に固定しておりません。各種映像・音声メディアと英語教育が関連していれば受け付けます。)

研究発表募集要項:以下の必要事項を電子メール本文に記載し,ATEM東日本支部宛 ej-seminar@atem.orgに送信してください。

1. 発表題目(日本語発表の場合は日本語,英語発表の場合は英語で) [発表時間は,発表・質疑応答・発表者交替時間を含めて 40 分程度です。]

2. 発表者全員の氏名

3. 発表者全員の所属

4. 連絡先(代表者のメールアドレス,緊急時連絡先電話番号(携帯電話番号等))

5. 発表概要(400字以内、英語での発表は200 words 以内)

ATEM(映像メディア英語教育学会)

[旧称:映画英語教育学会ATEM] 東日本支部企画委員

 

 

2018年映画英語教育学会(ATEM)東日本支部春季例会のお知らせ

日時: 2018年3月25日(日) 13:00開会
会場: 麗澤大学東京研究センター  新宿区西新宿6-5-1新宿アイランドタワー4F(新宿西口徒歩10分)

プログラム詳細(印刷用データはこちら)

【パネル・ディスカッション】 13:00~14:30

映画英語教育におけるトップダウン・ボトムアップ手法の可能性

―4技能の向上からクリティカル・シンキング、専門分野の講義まで―

司会パネリスト:

スプリング・ライアン(東北大学)

清澤香(国際基督教大学)

吉田雅之(早稲田大学)

本パネル・ディスカッションでは、映画を英語教育に取れ入れる際、トップダウン(映画を決めてからレッスンをそれに合わせて作成)とボトムアップ(元々のレッスンがあって、レッスンをサポートするように映像を使用)という二つの方法があることを紹介した上で、それぞれの導入方法における問題点と考慮すべき点について話す。トップダウン・ボトムアップのそれぞれの実例を取り上げ、実際のレッスンを作成する際に、どのような注意などが必要かを紹介する。トップダウンの実例として、映画やTVドラマを1年生の聴解・作文・スピーキング練習として使うレッスンなどを紹介する。ボトムアップの実例として、発音レッスンとクリティカル・シンキングのレッスンなどを紹介する。パネリストの経験に基づいて、これまでの問題や対策について話し、将来の可能性(ネット活用など)についても話す。その後は質疑応答を行いながら、フロアの皆様と話し合う。参加者全員が映画英語教育の現状を把握し、今後の自身の教授法を考えるきっかけになれば幸いである。

【休 憩】 14:30~14:40 (10 分間)

【研究発表】 14:40~17:10

※ 研究発表につきましては、質疑応答・発表者交替の時間も含めての時間表示になっております。

1.小嶺智枝(明治大学) 14:40~15:10

英米児童文学を読む ―児童文学教材と映像を通して―

初級英語選択科目(Reading)において、私は簡素化・短縮された英米児童文学教材を使用しております。Anne of Green Gables, Peter Panや The Borrowersなど誰もが知っている児童文学を読み、映像活用によって更なる文脈の理解度を増すことを目標とします。この発表では、児童文学と映像を比較しながら読解力・思考力を高める練習方法を紹介させて頂きたいと思います。

【休 憩】 15:10~15:20 (10 分間)

2.木下律子(創価大学大学院 博士後期課程2年) 15:20~15:50

Harry Potter and the Deathly Hallows (2007) における死生観

  ―映画と原作にみる二つの“Death”―

「ハリー・ポッター」シリーズ最終作『ハリー・ポッターと死の秘宝』(Harry Potter and the Deathly Hallows, 2007)において、「死」が様々な角度で描かれている。原作の第21章では、登場人物が死を擬人化した物語を朗読する。一方映画では朗読と同時に、アニメーションによって死が視覚化される。作者J. K. Rowlingは映画のシナリオや演出には携わっておらず、映画監督のDavid Yatesは本作について、原作のディテールをなるべく入れることに気をつけたと語っている。しかし映画と原作を比較すると、映画の方では死についての言語表現が異なり、映画独自の演出効果が加わっていることが分かる。そのため死をどのような姿形で捉え、死後の世界をどのような思想に基づいて表現するのかという点で映画と原作では大きな違いが生じるのではないだろうか。本発表では映像のメタファーの視点から、映画と原作における“Death”の相違点を明らかにし、それぞれの “Death”に対するイメージの文化的背景や、Rowlingの死生観について考察する。

【休 憩】 15:50~16:00 (10 分間)

3.鈴木政浩(西武文理大学) 16:00~16:30

PCフリーソフトを活用した映画教材開発の一例

本発表は,PCで使用可能な無料画面キャプチャを使った洋画の教材作成の実際と,これらの教材を使用した授業実践例を紹介することである。DVDのリッピング(データの吸出し)には著作権法上の制限があり,その後のデータ加工も極めて複雑である。本発表ではPCの画面を音声を含め動画で保存することができるフ リーウエアを用いた。対象者は都内の大学生25名,授業実施期間は2017年10月か ら2018年1月であった。対象者は授業者があらかじめ切り出したDVDの英語字幕と日本語字幕の動画を見ながら字幕の内容理解と比較検討をした後,英語音声の オーバーラッピングに取り組み音声を録音した。授業者は動画編集ソフトを使用し,動画にBGMと学生の音声を重ね鑑賞した。個別の取組がメインである点については好評であったが,3名以上のグループワークを実施する環境が得られなかった。当日はこの課題を克服する方法についても言及したい。

【休 憩】 16:30~16:40 (10 分間)

4.吉田雅之(早稲田大学) 16:40~17:10

逐語訳ではない作文教育を目指した二ヶ国語ニュース利用

英作文授業の初級レベルでは「与えられた日本語を英訳する」パターンが多いので、中級レベルに進んで自由英作文する際にそのクセが抜けず、「和英辞典に載っているから、この英語表現でいいはずだ」などと主張する学生がいる。しかしこの方法で満足してしまうと不自然な英語表現が残ってしまう。発表者は中級レベルで「データを用いた英語プレゼンを行う」授業を担当する際、このような弊害をなくすため、NHKの日本語ニュースがどう英訳されているか(同時通訳ではなく予め英語訳が用意されている場合に限る)を分析させる練習を一部で取り入れている。手法としては(1)まず学生に日本語原稿を英訳させ、(2)次にその英訳と、プロの英訳を比較させる(時間があれば dictation させる)ことにより、(3)日本語を英語に直しただけでは分かりやすい英語にならない場合があることに気づかせる。(4)その結果、添削指導を学生が積極的に受け入れるようになる。

*問い合わせ:e-mail(ej-seminar@atem.org)*事前申し込みの必要はありません。

*参加費無料 *例会終了後、懇親会を予定しています。

懇親会  参加を希望される方は、受付にてお申し出ください。

 時間: 18:00~20:00

場所: CHINADOLL 新宿アイランドタワー店

参加費: 4,000 円 ☆中華コース飲放題付き☆ (受付時にお支払いをお願いいたします。)

ATEM 会員募集 皆さまのご入会をお待ちしております! 入会を希望される方は受付にお申し出ください。

会場:麗澤大学東京研究センターhttp://www.reitaku-u.ac.jp/daigaku/campus/campus01.html 東京都新宿区西新宿 6-5-1 新宿アイランドタワー4 階 新宿駅西口より徒歩8分