YouTube番組を利用した語彙学習

中村佐知子(東北大学)

YouTubeを英語の授業で使用することは、今ではそれほど珍しくなくなりました。授業に少しアクセントを加えるために、YouTubeを使用するという先生方も多いのではないでしょうか。私自身、現在はカリキュラムの都合でYouTube番組を使用することはありませんが、以前は大学の授業で10分程度のYouTube動画を頻繁に使用していました。その際に気をつけていたのは、「できるだけ学生が興味を持てそうな動画を使用すること」と「動画視聴の時間を単なる息抜きにしないこと」です。動画選定については、事前に興味があるトピックをアンケートで調査するようにしていました。

授業でよく使用していたのは、『Paolo from TOKYO』の「Japan Day in the Life Series」です。

Paolo from TOKYO – Japan Day in the Life Series

就職を控えた大学生にとって、社会人の生活は非常に興味深いもののようでした。こうした動画を授業で使用することで、教材以外の英語に触れる機会を提供し、また、使用されている語彙やフレーズを紹介することで、少しでも英語学習に繋げることを意識していました。

学生から非常に好評だった動画の一例がこちらです。

【朝から晩まで完全密着】バンダイナムコスタジオ社員の1日https://youtu.be/e_TxH59MclA?si=Cx2dJmUWvts3Bhcv

TOCIC Service List 1.2(https://www.newgeneralservicelist.com/toeic-service-list)で調べると、この動画には、以下のようなTOEIC頻出単語が含まれることが分かります。

 TSL (TOEIC Service List) Rank
convenient54
coworker85
aisle138
overtime164
commute220
efficient366
refrigerator374
microwave995
unpaid 1092

これらの単語が動画内で使用される際に、一時停止して意味を確認したり、発音練習やディクテーションを行ったりするだけでも、学びの機会に繋がります。さらに、「授業の最後に単語を復習する」「その後の授業でも復習を繰り返す」など、継続的に取り組むことで、記憶の定着を意識した学習に繋げることもできるでしょう。

また、この動画には次のような文も使われています。

How long does it take for you to get ready for work?

How long did it take to develop this game?

これらの文は、ディクテーションや音読練習、さらには定型表現「How long does it take for you to do?」「How long did it take to do?」を使った文の作成練習にも応用できます。

さらに、この動画には、使用頻度が高いとは言えないものの、以下のような興味深い単語も含まれています。学生がこうした単語にも意識を向けることで、英語への興味が芽生えるかもしれません。

super packed「とても混んでいて」

burnables「燃えるゴミ」

non-burnables「燃えないゴミ」

honor system「自己申告システム」(オフィスの置き菓子の説明に使用されていました)

YouTube動画のauthenticな素材を楽しみながら、語彙やフレーズもしっかり学習する。「楽しい」と「英語力がつく」のどちらも諦めない授業づくりを、これからも心掛けていきたいです。

ATEM(映像メディア英語教育学会)2024年度第15回東日本支部大会・発表募集

例会日時:2024年12月22日(日)                        

会場:麗澤大学新宿キャンパス 新宿アイランドタワー4階4104号室

開催形態:対面開催(発表は会場で行います。オンライン発表はありません)

※遠隔参加する聴講者向けに、リアルタイム中継(配信)を行います。

対面開催で実施するため、発表者は会場にお越しください。聴講につきましては、会の盛況のためにもなるべく会場にお越しいただけましたら幸いです。

発表募集期間:2024年11月末日まで      

内容:例会テーマは特に固定はせず、各発表内容は発表者に一任いたします。「映像メディア英語教育学会」という学会名が示す通り、各種映像/音声メディアと英語教育が関連する内容を歓迎いたします。領域も授業実践、教材開発、英語教育論(異文化理解教育等を含む)と幅広く捉えていただければと思います。そうした分野やトピックに関するワークショップ(※)のご提案も含みます。ご不明な点などあればご相談ください。

発表時間:発表20分に加え質疑応答5-10分を予定しておりますが、発表数や企画の有無などにより多少調整する場合があります。なお、発表のお願い(採否)については、応募締め切りから1週間程度をもって通知いたします。

※ワークショップ:発表者がファシリテーターとなり、特定のトピックに関する解説、および聴衆も含めた活動の実施、とお考えください。これまでに実施された例として、映像使用に関する著作権についての理解を深める講義、英語学習アプリの使い方に関する講座、英語で映画を撮る授業の実践体験、映画撮影技術の講座および実践体験等があります。なお、アクティビティなどが含まれる可能性も鑑み、ワークショップの実施時間は20-40分の枠内でご計画ください。

応募方法:以下の必要事項を電子メール本文に掲載し、ATEM東日本支部宛(ej-seminar@atem.org)にお送りください。なお、送信後3日経っても返信がない場合は、再度ご連絡いただけますようお願いいたします。

1.メール表題に「ATEM東日本支部発表申し込み」と記載

2.発表タイトル

3.発表者の氏名(複数名で1つの発表の場合はそれぞれの氏名)       

4.発表者の所属(複数名で1つの発表の場合はそれぞれの所属)

5.連絡先(メールアドレス; 複数名で1つの発表の場合はその発表の代表者の連絡先)

6.   使用言語

7.発表概要(日本語の場合は400字程度、英語での発表は200-300 words)

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Call for Presentations at the ATEM Higashinihon Chapter Study Meeting on December 22 (Sun.), 2024

Dear ATEM Members:

ATEM Higashinihon Chapter will hold a Study Meeting at Reitaku University Shinjuku Satelite Campus (Shinjuku I-Land Tower 4F Room 4104, https://www.reitaku-u.ac.jp/about/access/) on December 22 (Sun.), 2024. We are planning on making the meeting Face-to-face (Presentations will be made at the venue, no online presentations). Also, real-time streaming is planned for remote participants, but this is subject to change depending on circumstances, so please check the website for details.

We are calling for presentations on English education (language education) that uses visual and/or audio multimedia including movies, TV dramas, Youtube, etc. Your presentation should focus on class activities, the development of language teaching materials, theoretical or empirical studies, or cross-cultural communication studies, etc. We also welcome proposals for workshops on those fields or topics.

Each presentation will be 20 minutes with 5-10 minutes of Q and A. (This may be adjusted depending on the number of presentations and the related projects. Please note that you will be notified of your presentation request (acceptance or rejection) approximately one week after the application deadline. 

We will contact you about the details later. 

Application Period: To November 30, 2024

Acceptance notice will be sent by email around a week after the application deadline. 

We would appreciate it if presenters could come to the venue as much as possible to avoid possible networking problems. If you wish to make an online presentation from outside the venue, please inform us at the time of application.

When submitting a proposal, please provide the following information by an attached Word file to the ATEM Higashinihon Chapter Office 

(ej-seminar@atem.org). 

1. Please title your email as “ATEM Higashinihon Presentation Proposal.” 

2. Presentation title 

3. Name 

4. Affiliation 

5. Email address

6. Language of presentation

7. Abstract (400 letters in Japanese or 200 to 300 words in English)