ユダヤ事情を知ればTVシリーズがもっとおもしろくなる?!

タイトル:ユダヤ事情を知ればTVシリーズがもっとおもしろくなる?!
投稿者:松井夏津紀(京都外国語大学・非)

「ユダヤ系キャラが出てくるTVシリーズは?」と聞かれれば、海外ドラマ好きなら様々な作品名が出てくるのではないでしょうか。『となりのサインフェルド』(Seinfeld, 1989-1998)のJerryや『フレンズ』(Friends, 1994-2004)のRossとMonica、『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』(The Big Bang Theory, 2007-2019)のHoward、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』(Orange is the New Black, 2013-2019)のNicky、『HOMELAND』(Homeland, 2011-2020)のSaul、人気アニメ『サウスパーク』(South Park, 1997-)のKyleなど、数々の人気シリーズでユダヤ系の登場人物が出てきます。そして、これらの作品では、セリフやストーリー展開と登場人物の背景にあるユダヤ事情が深く関わっていることがよくあります。

「ユダヤ人」の定義にもよりますが、世界のユダヤ系人口は推計2000万人だそうで、そのうち約650万人がイスラエルに住んでいますが、アメリカにも500万~700万人のユダヤ系市民がいるそうです。アメリカでは、ユダヤ系はマイノリティーですが、映画産業関係者にユダヤ系が多く、このことがTVシリーズのユダヤ系アメリカ人というキャラクター設定に影響していそうです。(上記シリーズにもユダヤ系製作者が携わっています。)

これらの作品では、ユダヤ教の行事の場面に遭遇することも珍しくありません。では、『フレンズ』のRossと幼い息子のBenとのやりとりを見てみましょう。

Ross: You know what holiday is coming up?(もうすぐ何の日が来るかわかってる?)
Ben: Christmas.(クリスマス)
Ross: Yeah, and you know what other holiday is coming up?(それともう1つあるだろ?)
Ben: Christmas Eve.(クリスマスイブ)
Ross: Yes, but also…(あと1つ・・・)
Hanukkah!(ハヌカー!)See, you’re part Jewish and Hanukkah is a Jewish holiday.(お前もユダヤ系だ。ユダヤの祭りだぞ)<00:05:31-00:05:52>
『フレンズ』(Friends, Season 7, Episode 10, 2013)

Benはユダヤ系の父Rossとは別々に暮らしているので、ユダヤ教の伝統ことはまだよく知らないようで、Rossがユダヤ教の行事を教えようとしています。このシーンでは、Rossが “you know what other holiday is coming up?” と聞いたときに、大人だったら “Hanukkah” と答えるところで、幼いBenが “Christmas Eve!” と答えることで笑いが起きています。言い換えると、Hanukkahの存在を知らないと笑えないシーンです。このように、クリスマスの時期に祝うHanukkahや、ユダヤ教の成人式のBar mitzvah(女児はBat mitzvah)、ユダヤ教の戒律に従ったKosherという食習慣について少し知識があると、TVシリーズのストーリー展開を理解するのに役立つことがあります。

コメディーでは、「ユダヤ人的ステレオタイプ」が笑いのネタになっていることもよくあります。多くは製作者がユダヤ系なので、「自虐ネタ」という側面であるのかもしれません。代表的なステレオタイプに「世話焼きのJewish mother」というものがあります。Big Bang TheoryのHowardの母親は、このステレオタイプの大げさバージョンと言ってもいいでしょう。また、HowardやFriendsのRossのような「神経質で振る舞いがぎこちないマザコン男」というのもユダヤ系のステレオタイプの一つのようです。SeinfeldのJerry やSouth ParkのKyleのようにニュートラルな気質のキャラクターもいるのですが、そんな彼らでも「ケチ」というようなユダヤ人いじりはつきものです。South Parkでは、シリーズを通してKyleが宿敵Cartmanから様々なユダヤネタで「いじられる」のが鉄板ネタになっています。

アメリカやイギリス、カナダ、フランスのような欧米諸国には、一定数のユダヤ系住民がいるので、自身がユダヤ系でなくても、このような「ユダヤ事情」になじみのある人が多いようです。しかし、日本人の多くは実生活でユダヤ文化と接することがほとんどないので、ユダヤ事情は未知のものであることが多いと思われます。ユダヤ事情に関する知識が少しあると、TVシリーズや映画をより詳細に楽しむことができることも多いので、作品を見ながら少しずつ学んでいくのもよいかもしれません。

動詞化する語について

タイトル:動詞化する語について
投稿者:福井美奈子(京都産業大学)

英語の中には「通常は名詞として扱われるが、動詞として使用されることもある」語があります。book(予約する)、ship(発送する)、あるいはdress(~に服を着せる)などはほんの一例であり、日常的に使用する語として定着しているものは多く存在します。また、このような語の中にはskype(スカイプをする)、youtube(YouTubeを観る)など、インターネット普及後に生まれた新しい語も存在します。ちなみに、google(検索する)は企業名が動詞化している点で上記の語とは異なるものの、『ジーニアス英和辞典(第5版)』などの辞書にも掲載されていることから、一般的に使用される語として認識されていると考えることができます。

Googleに代表される膨大な情報量を持つ検索エンジンは、我々の生活を大きく変化させました。そこで、単に「検索する」という意味にとどまらない動詞googleの使用について、映画『理想の恋人.com』(Must Love Dogs, 2005)を通して考えてみることにします。

8か月前に離婚をして家に閉じこもりがちなSarahを心配する家族が彼女の家に一堂に会します。家族の願いはSarahが再婚して幸せになることで、次々と写真を見せながら彼女に恋人候補を紹介しようとします。しかし、どの写真を見せられても気乗りしないSarah。仕方なく家族たちは彼女がそのうち興味を持ってくれるものと願いながら、持参した写真を冷蔵庫にマグネットで貼りつけていきます。すると、誰かが貼りつけた雑誌の1ページに掲載された男性に気づいたSarahがBill Jr.に尋ねます。

Sarah: Who is this?(この人は誰?)
Bill Jr.: I have no idea, but if you’re interested, I’ll google him.(わからない、でも興味があるなら検索するよ)<00:03:13>

この例で動詞として使用されたgoogleは、単に「検索エンジンを用いてインターネット上の情報を検索する」という作業にとどまりません。Bill Jr.は件の男性について何の情報も持っていませんが、Sarahを心配し彼女の幸せを願う家族であるが故に、「検索エンジンを利用すれば彼が何者なのかを調べることができるし、彼女にふさわしい人物なのか正体を突き止めることができる」というニュアンスも付加され、検索エンジンが持つ情報量の膨大さについても暗に示していると考えられるのではないでしょうか。

さて、名詞が動詞化する上記の例以外にも、ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』(Sex and the City, Season 4, Episode 5, 2001)に興味深い例があります。
ある朝、かつてのボーイフレンドであったSteveとバッタリ会ったMirandaは、Steveから自分のバーを開店するので開店日に来てほしいと誘われます。すると、Steveの新しいガールフレンドのJessicaが“We’d love to see you there.”(2人で待ってる)<00:01:39>と会話に加わります。その後、店を持つことを提案したのは自分であり、Steveと別れてからその提案が実現したことに腹を立てたMirandaは、親友のCarrieに電話で次のように話すのです。

Miranda: She “we’d” him, Carrie, right in front of me.(私に向かって「2人で」よ)<00:01:43>

上の台詞に見られる“we’d”は「私たち2人の中に彼を含めた/入れた」という意味に相当し、Mirandaが独自に動詞化したものですが、話し言葉にこのような自由度が存在することは興味深いことです。直説話法を使用してShe said, “We’d love to see you there.”と表現するよりも、よりMirandaの怒りが強いメッセージとして聞き手に伝わるのではないでしょうか。

技術の発展や新しいサービスの登場を反映し、動詞化する語が現れては廃れていきます。スマホアプリを使用したタクシー配車サービスであるUberからuber(タクシーを呼ぶ)が生まれた一方で、最近はほとんど使われなくなったfax(faxを送る)は、廃れていくことでしょう。今後もどのような語が動詞化するのかについて、注目してみたいと思います。

丁寧さを表す過去進行形

タイトル:「丁寧さを表す過去進行形」
投稿者:金田直子(京都女子大学・非)

誰かに何かを丁寧に依頼する時、どんな表現を使いますか?学生に「私のレポートを手伝ってくれませんか?」という英文を書くよう指示すると、多くの学生がCan you〜?や Will you〜?を使った依頼文を書きます。ですが、英語にはこのような助動詞を使わない依頼表現も多く存在し、また相手との関係によってその丁寧度も変化します。では相手に大変なお願いをする時はどう表現すれば良いのでしょうか。Could you〜?やWould you〜?のように助動詞を過去形に変えることでより丁寧度が増すということは大半の学生が理解しているようですが、動詞を過去進行形にした際にも丁寧度が高まることを理解している学生は多くはないようです。

一般的に進行形は「一時的な行為」を表します。また進行形が依頼表現で使われる時は、相手に対して「仮にこちらの要求が通らなくても問題ありません」というメッセージを伝えていると言われています。そして時制を過去形にすることで現在形のもつ直接的なニュアンスが薄れ、相手と自分の間に心理的距離が生まれます。これによって相手に対して多少のためらいを持った丁寧な表現として響くことになります。またこのような用法は、wonder, think, hope, wantなど心理状態を表す状態動詞に多く見られるようです。

映画『プラダを着た悪魔』(The Devil Wears Prada, 2002)では、主人公Andreaが大嵐の中、上司から自分のために飛行機を手配するよう命じられた場面でも、航空会社に次のように過去進行形を使って依頼をしています。

Andrea: But I was hoping that you could maybe get a flight for my boss… (上司のために今夜中にマイアミからニューヨークへ飛べます?)<00:29:08>

また別の場面では、出版前の入手不可能なハリー・ポッターの原稿をなんとか手に入れられないかと、出版社に電話口でお願いをしている次のセリフが見られます。

Andrea: Yes, I know. I know it’s impossible to get, but, well, I was wondering…if you could make the impossible possible, if that’s at all possible? (無理なのはわかってますけどあなたなら不可能を可能にしてくださるかと)<00:50:31>

このように過去進行形を使うことで相手に対して無理難題と思われることを丁寧に、婉曲的に表現することが可能になるのです。また、I was wondering if / whether〜 はTOEICの新形式テストの公式問題集5冊(10テスト)で10回の生起しており、TOEIC対策の授業やビジネス英語の授業において学ぶべき表現といえます。ただし、授業で音読をさせる際も闇雲に発音させるのではなかなか定着には至りません。映画のシーンを提示することで、登場人物たちの関係だけでなく、過去進行形を使った依頼表現のより深い理解を促すことにつながるのです。この点を踏まえた上で音読練習を行うとより効果的ではないでしょうか。

flat adverb(単純形副詞)について

タイトル:「flat adverb(単純形副詞)について」
投稿者:松浦加寿子(中国学園大学)

ここ最近、大谷翔平選手の活躍が日本に明るい話題を提供してくれています。今、最も注目されているアスリート選手と言っても過言ではありません。大谷翔平選手の画像を検索していると、打席に立つ大谷選手の背後にあるバックネット下に書かれた交通標語、“Drive sober or get pulled over”(飲酒運転はするな、警察に捕まるぞ)が目に入りました。ここで着目すべき単語が“sober”です。通常、動詞を修飾するのは副詞ですが、ここでは“sober”が副詞として動詞“drive”を修飾しています。このように、形容詞と同形で-lyの形を伴わない副詞は、flat adverb(単純形副詞)と呼ばれています。この場合、文末の“over”と韻を踏ませたかったのは言うまでもありません。

Longman Grammar of Spoken and Written English(p.542)によると、flat adverbはアメリカ英語の口語表現であり、イギリス英語では稀と記載されています。動詞“drive”と関連して“drive slow”も定着している表現と言えます。A Communicative Grammar of English(p.237)には、“drive slow”と“drive slowly”が例として挙げられており、意味には違いはないが、前述同様flat adverbはより口語的であると説明されています。COCA (Corpus of Contemporary American English) において、“drive sober”は例が少ないものの見られる一方で、“drive slow”はあらゆるジャンルで広く使用されていることが見て取れます。

映画『僕のワンダフル・ライフ』(A Dog’s Purpose, 2017)では、主人公イーサンが農業学校に進学するため、家族や愛犬のベイリーと別れる場面で次のセリフが見られます。

Ethan: Keep that for me. Okay, Bailey?(持っててくれ)
Fran: Bye, Ethan!(またね)
Bill: Drive safe. (安全運転でな)<00:46:45>

ここも本来であれば“safely”ですが、副詞として“safe”が使用されている例です。COCAによれば、“drive safe”はテレビや映画をはじめ、広く普及していることが分かります。

また、かの有名なスティーブ・ジョブズもflat adverbを使用しています。次のスローガンは、1997年にスティーブ・ジョブズがアップル社に復帰した際に流れたCMの終盤で見られます。

Think different.
You Tube: Apple Think Different-Steve Jobs Narrated Version

CMではアップル社の製品は一切紹介されず、多くの偉人とメッセージ、そして終盤にアップルのロゴと上記のスローガンが流れるだけですが、非常に印象深いです。スティーブ・ジョブズが繰り広げたこの“Think different”キャンペーンは、大きな反響を呼び、瀕死状態だったアップル社の起死回生の原動力となりました。なぜスティーブ・ジョブズは “Think differently”ではなく、“Think different”を選択したのでしょうか。それはまさに「ものの見方を変える」発想であり、あえて文法を逸脱させることで現状を打開し、その後のアップル社の成功へと繋がっていったのではないでしょうか。COCAでは、“think different”という表現はスティーブ・ジョブズが使用するまであまり使用されていなかったことが見て取れますが、2000年代以降この表現が広く普及し、定着したことが示されています。

時代の流れに応じて言葉は変化していくものですが、私たちもスティーブ・ジョブズのように変化を恐れず、flat adverbの拡大を受け入れていきたいものです。

参考文献
Biber, D., Johansson, S., Leech, G., Conrad, S. & Finegan, E. (1999). Longman Grammar of
Spoken and Written English. London: Longman.
Leech, G. & Svartvik, J. (2002). A Communicative Grammar of English. London: Longman.

 

人種間の融和へのメッセージ― “Harriet”

タイトル:「人種間の融和へのメッセージ― “Harriet”」
投稿者:藤倉なおこ(京都外国語大学)

オオカミや毒ヘビが潜む森の闇を、北極星を頼りに着の身着のまま必死に逃げる奴隷のハリエット。馬に乗った男達が銃を片手に犬を連れ、彼女を血眼になって追います。奴隷は大事な財産です。逃げた奴隷が捕まれば見せしめに鎖に繋がれ、痛めつけられ、殺される恐れさえあります。奴隷主は彼女に言い放っていました。

Gideon: … having a favorite slave is like having a favorite pig. You can feed it, you can play with it, give a name … One day you might have to eat it or sell it. You know it and the pig knows it. And if you have to sell it, there is no more guilt than separating piglets. And if you have to eat it, you’ll forget its name. (気に入った奴隷というのは、気に入ったブタと同じさ。餌をやって、遊んで、名前をつけて。その日が来たら食べるか、売るかだ。それはお互い承知のこと。子ブタを売り飛ばしても罪悪感を味わう奴はいない。食べたら名前だって忘れるさ)<00:09:02>

映画『ハリエット』(Harriet, 2019)は、実在した活動家ハリエット・タブマンを描いています。家族と引き離され、家畜同然に売られることになったハリエットは、自由を求めて南部メリーランド州から160キロの道のりを奴隷制度がない北部ペンシルベニア州まで逃れます。彼女はその後「地下鉄道」(Underground Railroad) という奴隷を逃す組織で唯一の女性「車掌」として何度も危険を冒して南部に戻り、家族を始め多くの奴隷を北部へと導きます。

やがて北部から奴隷を連れ戻すことを認める逃亡奴隷法ができると、彼女たちはカナダに逃れます。メリーランド州からカナダまでは約1,000キロです。自由黒人、奴隷の逃亡をそれまで助けていた白人達には「地下鉄道」の活動はもう無理に思えました。ところがハリエットは彼らに宣言します。

Harriet: But I’ve heard their groans, their sighs. I’ve seen their tears. And I would give every last drop of my blood in my veins to free them. So, I ain’t giving up. I am going to do what I got to do. Go wherever I got to go, however I got to do it, to free as many slaves as possible till this beast, this monster called slavery is slain dead. (私は彼らのうめき声、ため息を聞いてきた。彼らの涙も見てきた。彼らを自由にするためならば、私の血管に流れる血の最後の一滴までも捧げる。だから私は決して諦めない。やるべきことをやる。行くべきところに行く。手段は選ばない。この奴隷制度という怪物の息の根を止めるまで、できるだけ多くの奴隷を解放し続ける)<01:33:40>

その決意の堅さは奴隷主に追い詰められた彼女の言葉からも知ることができます。

Harriet: I reasoned that there was one or two things I had a right to. Liberty or death. If I couldn’t have one, I’d have the other. (考えた末に一つか二つの権利が私にもあることに気づいたの。自由か死か。一方が無理ならもう一方をとるわ)<01:51:57>

ここで紹介した台詞はいずれもハリエットの実際の言葉です。南北戦争が始まると彼女は北軍の男性兵士150人を率いて戦いました。黒人女性という“invisible”(見えない)な立場を利用してスパイ、斥候としても活躍し、戦後は女性の地位向上、晩年は高齢者や孤児の救済に力を注ぎました。90年あまりの生涯を閉じたときの最後の言葉は、“I go to prepare a place for you.”(あなたたちの居場所を用意しにいきます)でした。

ハリエットはオバマ政権下で黒人女性として初めて20ドル札の肖像になることが決まっていました。しかしトランプ前大統領はそれを「意味がない」と先延ばしにしました。バイデン大統領は、現在のアンドリュー・ジャクソンの肖像からハリエットの肖像への変更を進めると表明しています。ジャクソン元大統領は奴隷を所有し、先住民を弾圧し、土地を奪ったことでも有名です。そうした人物から黒人女性の活動家へと肖像が変わることは、過去の反省と人種間の融和への象徴でもあります。人種差別が再び顕在化している米国でハリエット・タブマンのお札を人々が手にすることは、彼女からのメッセージを受け取ることに他ならないのかもしれません。

近接未来を表すbe about to

タイトル:近接未来を表すbe about to
投稿者:衛藤圭一(京都外国語短期大学)

willやbe going toなど、英語には未来を表すさまざまな表現がありますが、本コラムではbe about toを取り上げ、近接未来を表す理由と語法的な特徴について見ていきます。

まず、be about to は be going to と同じように未来の事柄を示すものの、時間的に接近している「近接未来」を表すと言われています。たとえば、下の(1a)が「以前から何かをすることに決めていた」という意志未来の意味を表すだけであり、(1b)と異なり「すぐにでも病院へ行こうとしている」といった時間的な近接性を表さない点で、be about toはbe going toに比べて差し迫った未来の事柄を表していると言えます。

(1) a. I‘m going to go to the hospital.
b. I‘m about to go to the hospital.

このようなbe about toの意味を「イディオム」として説明する参考書もありますが、本当にそうなのでしょうか。be about toが近接未来を表す理由について、Perkins (1983: 72) は次のように言っています。

(2) The distinguishing characteristics of BE ABOUT TO, however, is that the event referred to is regarded as imminent (cf. the spatial sense of ABOUT ― namely, ‘in the (immediate) vicinity’)

つまり、この表現の表す近接未来は、about の持つ「~の (すぐ) 近くに」という「周辺性・近接性」に起因しており、be about toは aboutの空間的意味が時間的意味に拡張されて生まれた表現ということです。

このように、be about to のあらわす時間の幅はbe going toに比べて非常に短いわけですが、このことから『ウィズダム英和辞典』などの辞書などでは、未来を表す副詞句で特定の時間を指すものとは通例共起しないと言われています。一例を挙げると、意志未来のbe going toは次の(3a)が示すように特定の時間を表すnext monthと共起可能ですが、(3b)のbe about toは、この表現が持つ近接性と一か月後を表すnext monthが意味的に嚙み合わないために不自然に聞こえます。

(3) a. I‘m going to go to the hospital next month.
??? b. I‘m about to go to the hospital next month.

一方、辞書や学習書であまり指摘されてはいないものの、any minute nowのように近接性と噛み合う時間表現であれば問題なく共起可能です。

(4) a. These bonuses are only available for the next 72 hours only, and class is about to begin any minute now.
(YouTube: Are You Ready for The 13-Weeks to Unstoppable Challenge?)
b. Don’t wait on this, these bonuses are only available for a limited time only, and class is about to begin any minute now.
(YouTube: Are You Struggling to Get Fired Up & Focused? Here’s Why!)

興味のある人は、他にも共起可能な時間表現があるかどうか実例を観察して探してみてください。

参考文献:
Perkins, M, R. 1983. Modal Expressions in English. London: Frances Pinter.

日本語の知識も大事になる英語の副詞や動詞

タイトル:日本語の知識も大事になる英語の副詞や動詞
投稿者:飯田泰弘(岐阜大学)

英単語の意味が分からなければ、その答えを求めて英和辞典をひくのは基本です。しかし言うまでもなく、正しい英語の理解にはきちんとした日本語の知識も不可欠です。

たとえば、『謎解きの英文法-副詞と数量詞-』(久野・高見 2015)には、辞書にあるからといって、narrowlyを「かろうじて、危うく、やっと」と訳すことの危険性が指摘されています。その理由は、これらの日本語の副詞は、共起する動詞が表す内容が主語にとって「望ましいこと」であると暗に述べてしまうからとされます。具体的には、「ジョンはかろうじて勝った」や「やっと勝った」とは言えても、「かろうじて負けた」や「やっと負けた」は少し不自然に聞こえます。一方、英語のnarrowlyは、望ましいかどうかへの言及はしない中立的な副詞なので、日本語では「僅差で」をあてるとよいと指摘されています。

freelyも要注意で、辞書の記載を注意深く見る必要があります。日本語で「私は将来英語を自由に話せる人になりたい」と言う場合、ふつうここでの「自由に」は「流ちょうに」の意味に相当します。よって英語でspeak English fluentlyとするのは大丈夫ですが、辞書に「自由に」の対訳があるからといってfreelyを安易に使うことは危険です。というのも、英語のfreelyは主に、規則や束縛や障害物などが無くて何かを「自由に」行う場合に使われるため、speak English freelyと言えば、英語が禁止されているのだろうかという誤解を招きかねません。実際に、 (1)や(2)のspeak freelyでは、いずれも立場の差がある人物同士の会話において「気をつかわず話す、腹を割って話す」という意味が出ています。

(1) Eichorst : Please, speak freely.(ほら、気をつかわず話してくれ)<00:27:55>
『ストレイン-沈黙のエクリプス-』(The Strain, Season 1, Episode 7, 2014)
(2) Vivian : Permission to speak freely?(意見してもいいですか?)
Jack : Permission granted.(許可する)<00:16:47>
『FBI-失踪者を追え!-』(Without A Trace, Season 1, Episode 4, 2002)

似たようなケースを、動詞でも確認しましょう。たとえばdrownの場合、多くの辞書には「溺れ死ぬ、溺死させる」と記されており、この英単語を「溺れる」とのみで覚えることの危険性が分かります。というのも、日本語の「溺れる」は、溺れたあとに助かったか、それとも命を落としたかまでは言及しないため、「ポチは川で溺れたが、九死に一生を得た」という日本語文は可能になります。つまり、日本語の「溺れる」だけでは、溺れた末の死をも含意するdrownの意味を正確に反映することができないのです。(3)や(4)のセリフで確認しても、(3)は溺れて死にかけている状態を表し、(4)では子どもたちが絶命したことが前提となります。

(3) Sarah : This is killing him. Alan. Alan! He’s drowning. <00:36:00>(彼を殺してしまうわ。アラン!アラン!彼は溺れてるのよ)
『HELIX -黒い遺伝子-』(Helix, Season 1, Episode 6, 2014)
(4) Peter : Do you know that she drowned her own kids? <00:33:26>(彼女は自分の子どもを溺死させたのを知ってるか?)
『シャッター・アイランド』(Shutter Island, 2010)

climbにも注意が必要です。この動詞の意味を「のぼる」と覚える学習者もいますが、辞書には「(苦労して・ゆっくり)降りる」という記載もきちんとあり、この動詞が表す移動はいつも上方向とは限りません。この事実は、一見すると相性が悪そうなdownが後続するclimb downという表現があることからも分かります。実際に(5)では、ロープをつたって下に降りるよう指示していることが、映画のシーンを見れば一目瞭然です。

(5) Spider-Man : Listen. I need you to climb down. <01:43:10> (聞くんだ。君はロープを降りろ)
『スパイダーマン』(Spider-Man, 2002)

このように、辞書にある日本語の対訳が必ずしも英単語の正確な意味を表しきれないケースや、日本語の正確な理解が求められるケースは多々あります。英語学習の際には、日本語が持つ特性も意識しながら、辞書にある細かな注意書きにもきちんと目を配ることが大事です。

オンライン会議システムを利用した国際交流授業

タイトル:オンライン会議システムを利用した国際交流授業
投稿者:井村誠(大阪工業大学)

2020年に発生したコロナ禍によって、学校の授業はオンライン化を余儀なくされましたが、それはこれまでにないスピードでコンピュータを介在させたコミュニケーション(CMC: Computer Mediated Communication)を世界中に普及させることにつながりました。その大きな役割を担ったのがZoomやMicrosoft Teams、Google Meetといったオンライン会議システムです。

技術革新の目まぐるしい進歩についていくことは、日々忙しいわれわれ教師にとってチャレンジングなことですが、同時にそれは、ネット上に存在する教材を効果的に利用したり、これまでにはなかなか出来なかったような新しい活動を授業に取り入れたりするチャンスでもあります。この逆境が開いた新たな機会として、オンライン会議システムを利用した日韓国際交流授業の例を紹介したいと思います。

参加者は筆者のゼミに所属する大阪工業大学の学生9名と韓国国民大学のSeo Jiyong先生(姉妹学会STEM会員)の学生9名で、2000年の6月から7月にかけて約4週間にわたって交流活動を行いました。自己紹介から始まったペアワークでは、1回目は緊張して英語に詰まって沈黙する場面もありましたが、2回目は画像や動画、翻訳ソフトなど、インターネット上の様々なリソースを共有しながら、なんとかコミュニケーションをとろうとする様子が見られました。

最終週には、映画を使った異文化理解を目的とするグループディスカッションを行いました。学生にはSDGsのテーマにもなっている貧困問題を扱って、同時期に世界的な話題となった日韓の映画『万引き家族』(是枝裕和監督 2018)と『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ監督 2019)を各自で前もって見た上で、Zoomのブレイクアウトルームを使って6人ずつのグループに分かれて、以下の議題について話し合ってもらいました。

1. Talk about the impressions you got from each movie. Are they similar or different? In what way?
2. Did you find any cultural differences in people’s behaviors, communication styles, or the way things are described or expressed in the scenes?
3. Why do you think both movies received so much media attention?

これらの映画はいずれも洋画ではないので、英語自体を学習リソースとするものではありませんでしたが、活発な意見が交わされ、お互いの文化を理解するうえで有効なコンテンツであったと思います。ともに貧困問題をテーマにしているとはいえ、『万引き家族』のほうは描き方が直接的ではなく、家族の絆ということに焦点が当たっているのに対して、『パラサイト 半地下の家族』の方は、より直接的に格差社会に対する怒りを描いているのではないかというのがグループディスカッションで達した結論です。また貧困の象徴である半地下という家屋構造が、もともと朝鮮動乱の時に作られたシェルターに端を発するものであったということは、日本人の学生にとって驚きであったようです。この間の活動について、自由記述のレポートを書いてもらっていましたが、それぞれにとって母語ではない国際共通語としての英語を通じて互いに意味交渉をする中で、英語を話すことへの不安感が和らいだという感想が見られました。

コロナは確かに禍ですが、このように新たな機会も開かれました。オンライン会議システムを利用すれば、教室や国の壁を超えて学生同士が交流し、豊富なメディアリソースを活用して、互いに学び合う場を作ることができます。またそこで学生たちは、国際共通語としての英語(EIL: English as an International LanguageあるいはELF: English as a Lingua Franca)を実際のコミュニケーション(authentic communication)の中で使うことを通して、身につけていくことができる可能性が広がります。これは長年果たし得なかった日本の英語教育界の夢である「実践的コミュニケーション能力の育成」を現実のものにする、絶好の機会ではないでしょうか。

“Why don’t you…?”はTOEIC L&Rでは必殺の談話標識!

タイトル:「“Why don’t you…?”はTOEIC L&Rでは必殺の談話標識!」
投稿者:倉田 誠(京都外国語大学)

本稿は「提案の表現」である“Why don’t you…?”という表現は、TOEIC L&RのPart 3では必殺の談話標識の役割を果たすことについて述べます。

下記の(1)のやり取りは『ワーキング・ガール』で主人公のテスが、上司のキャサリンに提案を持って行った際の会話です。キャサリンはテスのアイデアを玉案だと思い、盗もうと考えます。

(1) Tess: You think there is something there.(行けそうなアイデアですか?)
Katharine: Well, I can think it through for you. Why don’t you leave me your notes? I’ll have a look-see.(考えておいてあげるわ。あなたの手帳を置いていってくれる?あとで見ておくから。)
Tess: Okay. I’ve been trying to get into the Entrée Program, and this would be a big push.(承知しました。あの、私、証券マン養成コースに応募しているのですけど、これがうまくいくと大きな助けになると思いますので。)<00:20:57>
『ワーキング・ガール』(Working Girl, 1988)

太字下線を施したキャサリンの“Why don’t you…?”の文は単に提案を表す文ですが、実はこのパターンはTOEIC L&RのPart 3では設問につながる情報を明示する標識となります。ご存知の通り、Part 3の問題は2人または3人による2~3エクスチェンジの会話で成っているのですが、1つの頻出パターンとしてダイアログの中で何か問題(機械の故障等)が起こり、それに対して話者の一人が解決法を提案するというものがあります。その際にこの“Why don’t you…?”や“Why don’t we…?”が使われます。当該文または後続文はまさに解決法ですので、情報価値が必ず高くなります。そしてそこが必ず問われます。驚くことに、この必須のポイントはTOEIC L&Rを模して作った、所謂「TOEIC L&Rの非公式問題集」の筆者の「TOEIC名人たち」も知らない場合が多いです。「バイブル視」されているような超有名なTOEIC問題集にもこのポイントが編み込まれていない場合が多いことは残念です。

ではこの“Why don’t you [we]…?”のパターンの頻度を見てみましょう。「ATEM資格試験英語研究SIG」の有志がTOEICの新形式テストの公式問題集8冊と旧形式テストの公式問題集6冊に掲載されている計14冊(28テスト)を調査した結果、“Why don’t you…?”のパターンが22回ヒットしていることを確認しました。内訳はPart 2=5回, Part 3=16回, Part 4=1回でした。自明ではありますが、Part 3でのヒット数が最多であり、しかもその当該文またはその後続文の情報が設問になっています。次に“Why don’t we…?”のパターンは17回のヒットが認められました。内訳はPart 2=6回, Part 3=10回, Part 4=1回でした。やはりPart 3の頻度が最多であり、その当該文またはその直後の文脈が設問になっています。換言するとこのパターンはテストを受けると必ず1回は出題される必須パターンです。下記の(2)は“Why don’t we…?”の一例ですが、お約束通りその部分が問われています。

(2) Questions 38 through 40 refer to the following conversation with three speakers.
W1: Excuse me. Do you work at this museum?
M: Yes. How can I help you two?
W1: Well, my friend and I were planning to see the sculpture exhibit, but there’s such a long line of
people waiting to get in.
W2: Yeah, we’re really surprised. There’s usually no line at all. Is there a special event today?
M: Yes, there’s a free tour for children at noon, so a lot of families are here for that. In fact, the
museum’s going to be very crowded for the next hour or so.
W1: Hmm… OK. Nadia, why don’t we grab lunch at McSally’s and come back later?
W2: Good idea! I’ve been wanting to try that place!

40 Where will the women probably go next?
(A) To a park
(B) To a theater
(C) To a restaurant *
(D) To a school
(公式TOEIC Listening & Reading問題集7, Test 1, Part 3)

美術館の彫刻展を見に来た米国人女性(W1)と英国人女性(W2)ですが、子供対象の無料ツアーが正午スタートのため、1時間は家族連れで込み合うことを知りました。そこで米国人女性が英国人女性に太字の文を使って、「(先に)マックサリー食堂でお昼ご飯を食べない?」と提案します。その文が「美術館の混雑時を回避するための提案」になりますので、情報価値が高く、40の設問につながります。このようにTOEIC L&Rにおける“Why don’t you [we]…?”の意味合いを知っているだけで、自信を持って選択肢(C)を選べます。

上掲の「資格試験英語研究SIG」はこのような必殺の談話標識を集め、低中得点層対象の「目から鱗のテキスト」を開発中です。近い将来、成美堂から上梓されますので、乞うご期待!

To victoryは経路句なのか結果句なのか

タイトル:To victoryは経路句なのか結果句なのか
投稿者:吉川裕介(京都外国語大学)

皆さんの中には、2020年11月上旬に行われたアメリカ大統領選挙に注目されていた方も多いのではないでしょうか。今回は選挙でよく目にするto victoryという表現について考えを深めていきたいと思います。(1)の文は選挙戦を左右するヴァージニア州で勝利したことで、民主党のバイデン候補が大統領戦で優位になった記事の見出しです。

(1) Joe Biden marches to victory in Virginia, notching swing-state win
(New York Post–Nov. 3. 2020)

この場合、to victoryは動詞marchの比喩的な目的地として表されており、「大統領選挙での勝利へ動き出した」という意味で捉えられます。他にもinch to victory(少しずつ勝利に近づく)や、surge to victory(勝利に大きく近づく)といった動詞も今回の大統領選ではよく目にしました。このように、to victoryは動詞が示す様態を伴って、ゴールに到達する内容を表すことから、競技や選挙などの話題で頻繁に使用されることが伺えます。

(2) Biden inches closer to victory (NHK WORLD-JAPAN–Nov. 7. 2020)

(3) Former Vice President Joe Biden surged to victory in Super Tuesday contests across the South and beyond, while Sen. Bernie Sanders, I-Vt., claimed gold with a sizable win in delegate-prize California. (FOX NEWS–Mar. 4. 2020)

よく観察してみると、(4)のような通常の移動構文では場所を示す前置詞句は物理的なゴールとしてto句が示され、動作主の位置変化(change of location)を表しています。このような前置詞句のことを経路句と言います。一方で、to victoryは抽象的なゴールを示しており、その解釈に状態変化(change of state)を伴います。例えば、大統領選挙の場合to victoryは場所への移動ではなく、「候補者」から「大統領」へと立場が変わることを意味しています。このような前置詞句は結果句と呼ばれます。

(4) John pushed the shopping cart to the garage.

Iwata (2020)は、このto victoryをめぐって、これまでの結果構文とは異なる振る舞いをする新種の結果構文(原因と結果を単文で描写する構文)であると主張しています。通常、結果構文は(5a)のように直接目的語の制約(Direct Object Restriction; 以下DOR)に従い、結果述語として示される二次述語(clean)は直接目的語(the table)の状態変化を示す必要があります(cf. Simpson 1983, Levin & Rappaport Hovav 1995)。一方、(5b)では鉄を溶かした結果、自身の体が熱くなったという意味で解釈することができません。

(5) a. John wiped the table clean.
b. *I melted the steel hot. (Simpson 1983; 143-144)

興味深いことに、to victoryを見てみると、(6a)ではThe influence of the media causes the victory of Trump.とパラスレーズできるように、to victory はTrumpの結果状態を表している一方で、(6b)に見られるto victoryは「騎手が同じ馬に騎乗し、勝利を収めた」というように主語のPhilippe Rozier氏の結果状態を表していることが分かります。

(6) a. How The Media Swept Trump To Victory (HUFFPOST Nov. 18. 2016)
b. PHILIPPE ROZIER…rode the same horse to victory for France in the Euro House Trophy in Gothenberg yesterday. (BNC, cf. Iwata 2020; 394)

このような二次述語に関する指向性の不一致について、Iwata (2020)では次のように説明しています。(6a)では、sweepが示す行為が目的語のTrumpに働いておりDORを満たすことから通常の結果構文として解釈されます。一方、(6b)のride to victoryのパターンは、目的語が「動詞に本来選択される働きかけの直接の受け手(force recipient)」として捉えられないことから、動詞の働きかける対象がそもそも存在しないために、DORの違反にはならないと結論づけています。
このことから、Iwata (2020)の分析には、ride to victory型を他動性が欠如した結果構文として分類している点で新規性があります。日常的に目にする表現の奥にはこのような目新しい理論的進歩が潜んでいます。ぜひ、言葉の奥深さを感じてもらえれば幸いです。

参考文献:
Levin, B., & Rappaport Hovav, M. 1995. Unaccusativity: At the syntax-lexical semantics interface. Cambridge, M.A: MIT Press.
Simpson, J. 1983. Resultatives. In M. Rappaport, A. Zaenen, & L. Levin (Eds.) Papers in lexical-functional grammar (pp. 143-157). Bloomington: Indiana University Linguistics Club.
Iwata, S. 2020. English Resultatives: A force-recipient account. Amsterdam & Philadelphia: John Benjamins.