第19回西日本支部大会研究発表募集 Calls for Presentation at the 19th Chapter Meeting

第19回西日本支部大会(オンライン)を2023年3月5日(日)に開催します。ついては、下記の要領で研究発表を募集します。
ATEM Nishinihon Chapter calls for presentations for the 19th ATEM Nishinihon Chapter Conference to be held online on March 5th, 2023.

<応募要領>以下の項目を記載し、eメールにてご応募ください。なお、締切り後に選考を行い、申込者宛に事務局より採否の結果を12月下旬にeメールにて通知いたします。(詳細はこちらをご覧ください。☞ 募集要項

* 募集期間:2022年10月1日(土)~ 2022年12月11日(日)
* 申込先:ATEM西日本支部事務局(神戸親和女子大学・田畑圭介研究室内)まで
Email: tabata@kobe-shinwa.ac.jp
*提出形式:ワードファイルに以下の記載事項を記入し、添付ファイルにて提出
*発表形態:Zoomによるライブ発表(ただし、発表枠の都合によりオンデマンド発表をご依頼する場合もあります)

<記載事項>
①氏名(ふりがな)
②所属
③連絡先メールアドレス
④発表種別
⑤発表題目
⑥使用言語
⑦発表概要(日本語800字程度/英語400語程度)

<Submission Procedure>
When submitting a proposal, please send the following information with an attached Word file to the ATEM Nishinihon Chapter Office (tabata@kobe-shinwa.ac.jp). The submission period is from October 1st through December 11th, 2022. The review result will be sent via email in late December.(For more details, please refer to the Submission Guideline

① Name
② Affiliation
③ E-mail
④ Presentation Type
⑤ Presentation Title
⑥ Language
⑦ Abstract(Japanese 800 letters; English 400 words)

映画『リトル・ダンサー』におけるLikeの使用について

タイトル:映画『リトル・ダンサー』におけるLikeの使用について
投稿者:福井美奈子(京都産業大学)

英単語のlikeは基本的な動詞であり、「~が好きである」という意味だとまず教えられます。しかし、日常的に遭遇するlikeは、動詞以外の用法で使用されていることも多く、色々な用法が存在します。そこで、映画を一作品取り上げ、どのようにlikeが使用されているのか、likeの生起回数と共に調べてみることにしました。

今回取り上げた作品は、映画『リトル・ダンサー』(Billie Elliot, 2000) です。この映画におけるlikeの生起は全32回でしたが、動詞としての生起は4回のみでした。そして、動詞以外の用法で最も多く7回生起したものが、Like electricity.(電気のように)<01:29:50>に見られる、名詞の前に置かれ「(たとえば)~のような」の意味を持つ前置詞としての用法でした。また、興味深い用法として5回生起したものが、言いにくいことを伝えるときや、言葉につまったときに使われるlikeです。一例を挙げてみましょう。

主人公Billyのバレエの才能を見出したMrs. Wilkinsonは、Billyにロイヤル・バレエ学校の受験を勧めます。そして、いよいよオーディションが明日に迫ったとき、合格すればロンドンに行ってしまうことになるBillyに対し、彼に好意を寄せているDebbieは言います。

Debbie:  I’ll miss you if you go away.(受かると寂しくなるわ)
Billy : Who do you think’s better? Fred Astaire or Ginger Rogers?
(フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース、どっちが上手いと思う?)
Debbie: Billy, do you not fancy us, like?(あなた、あのう、私のこと好き?)<00:53:34>

このシーンでは、Billyの気持ちを確かめるために話を振るDebbieに対し、明日のオーディションのことで頭がいっぱいのBillyがとんちんかんな受け答えをします。すると、当てが外れて気まずくなったDebbieは、fancy(好きだ)の目的語としてme(Debbie)ではなくus(BillyとDebbie)を使用し、ストレートさを緩和しつつBillyの気持ちを確かめようとします。さらに、文末には副詞であり「言いにくいことを伝えるときに使用されるlike」が見られます。ここに、Billyの気持ちを知りたいと思いつつも、拒絶を恐れるDebbieの気持ちが表れているのではないでしょうか。

辞書を確認する限り、likeについて全ての用法や使い分けを学生に指導することは難しいと考えます。しかし、映画を見せながら、先のシーンでなぜlikeが使用されたのか、またここでのlikeの役割は何なのかを考えてもらうことは、この単語の持つ多様性を知るきっかけとなるのではないでしょうか。