近接未来を表すbe about to

タイトル:近接未来を表すbe about to
投稿者:衛藤圭一(京都外国語短期大学)

willやbe going toなど、英語には未来を表すさまざまな表現がありますが、本コラムではbe about toを取り上げ、近接未来を表す理由と語法的な特徴について見ていきます。

まず、be about to は be going to と同じように未来の事柄を示すものの、時間的に接近している「近接未来」を表すと言われています。たとえば、下の(1a)が「以前から何かをすることに決めていた」という意志未来の意味を表すだけであり、(1b)と異なり「すぐにでも病院へ行こうとしている」といった時間的な近接性を表さない点で、be about toはbe going toに比べて差し迫った未来の事柄を表していると言えます。

(1) a. I‘m going to go to the hospital.
b. I‘m about to go to the hospital.

このようなbe about toの意味を「イディオム」として説明する参考書もありますが、本当にそうなのでしょうか。be about toが近接未来を表す理由について、Perkins (1983: 72) は次のように言っています。

(2) The distinguishing characteristics of BE ABOUT TO, however, is that the event referred to is regarded as imminent (cf. the spatial sense of ABOUT ― namely, ‘in the (immediate) vicinity’)

つまり、この表現の表す近接未来は、about の持つ「~の (すぐ) 近くに」という「周辺性・近接性」に起因しており、be about toは aboutの空間的意味が時間的意味に拡張されて生まれた表現ということです。

このように、be about to のあらわす時間の幅はbe going toに比べて非常に短いわけですが、このことから『ウィズダム英和辞典』などの辞書などでは、未来を表す副詞句で特定の時間を指すものとは通例共起しないと言われています。一例を挙げると、意志未来のbe going toは次の(3a)が示すように特定の時間を表すnext monthと共起可能ですが、(3b)のbe about toは、この表現が持つ近接性と一か月後を表すnext monthが意味的に嚙み合わないために不自然に聞こえます。

(3) a. I‘m going to go to the hospital next month.
??? b. I‘m about to go to the hospital next month.

一方、辞書や学習書であまり指摘されてはいないものの、any minute nowのように近接性と噛み合う時間表現であれば問題なく共起可能です。

(4) a. These bonuses are only available for the next 72 hours only, and class is about to begin any minute now.
(YouTube: Are You Ready for The 13-Weeks to Unstoppable Challenge?)
b. Don’t wait on this, these bonuses are only available for a limited time only, and class is about to begin any minute now.
(YouTube: Are You Struggling to Get Fired Up & Focused? Here’s Why!)

興味のある人は、他にも共起可能な時間表現があるかどうか実例を観察して探してみてください。

参考文献:
Perkins, M, R. 1983. Modal Expressions in English. London: Frances Pinter.